鬼才キム・ギドク監督の映画『サマリア』を見ました。
ベルリン国際映画祭の最優秀監督賞をはじめ数々の賞を独占した映画です。
※この画像はダウンロード承認の壁紙を掲載しています。
イ・オル ・・・ヨジンの父親(刑事)
カク・チミン ・・・ヨジン
ソ・ミンジョン ・・・ジェヨン
刑事の娘、女子高生のヨジンはお母さんと死に別れおとうさんと二人暮しをしていた。
彼女は女友達のジェヨンと大の仲良しだった。
ジェヨンのヨーロッパ旅行に行きたいという願望によるお金集めの為、いつしかチャットで知り合ったおとこたちと援助交際をするようになっていた。
ヨジンが電話を掛けて準備をして、ジェヨンが男達と会い、そのもらったお金をヨジンが管理するというように分担分けがされていた。
事が済んだ後、浴場に行ってお互いに体を洗うという習慣が付いていたので、いつしかヨジンはジェヨンに対して愛情のような物を感じ始めていた。
或る時、手配の警察が立ち入った為ジェヨンは高い窓から飛び降りて、まもなく病院で死亡してしまった。
深い悲しみに包まれたヨジンは、一旦は預かった金を燃やそうと決意したものの思い直し、今までジェヨンが関わった人達に直接モーテルで会い、お金を返す事に思い直した。
それがジェヨンに対しての恩返しだと彼女は思った。
何度かそういうことをしているうち、ふとした事で警察の捜査をしているお父さんが娘の行動に気がついてしまった。
父親はそれ以来、娘の相手に付きまとい復讐をしていくようになっていった。
或る男にはその幸せな家庭に踏み込み、自殺をさせてしまう・・・・
最後の男にはトイレに入ったところを、血だらけにして殺してしまう・・・・
ヨジンの予定の行動が全て終わった後、投げ捨てた手帳を父親は見る。
その日父親は早く帰り娘に母親の墓参りに行こうと誘う・・・・
二人っきりの長い時間も、無言のまま全ての時間が流れていく・・・・
夜遅くなり、空き家に泊まらせてもらい休むことになったが、ヨジンが夜遅く起きだして一人泣いているのを父親は目撃する。
次の日、車のハンドルに興味を持ったヨジンに運転してみるかと誘う父親・・・
一旦は断ったものの、ヨジンが寝てしまうと父親は砂浜に車を停める。
ヨジンが目覚めると、父親は石にペンキを塗って運転練習所のようなコースを創っていた。
そしてこう言った・・・ 『これからは一人で行かなくてはならない!!!』
運転に夢中になっていたヨジンには、警察の車が父親を迎えに来たのには気がつかなかった。
やっと父親がいないことに気がついたヨジンが、慣れない運転で追いかけるが車はわだちにはまって動かなくなってしまう・・・
父親を乗せた車はかまわず遠ざかっていく・・・
いっちゃんの追想録・・
やるせない映画ですね・・・
ヨジン達少女の行動も世間的には許されないが、根は父親との対話不足にあるのでは?
父親が娘の生活に関わりが少ない気がする。
刑事という職業の父親も、娘の行動はショックだったろうが、なぜ娘と対面して話し合わないのか?
他人の男をストーカーして傷害や殺人に至る前に、まず娘と話し合うべきだろう。
映画のストーリーを見ていても全く娘と話し合った気配がない。
終幕で車の運転を教えて『一人で生きなくてはならない・・』
中にはこのシーンでジーンとこられる方もいるかもしれないが、自分は違う・・・
突き放す方はそれでよいが、突き放される方はいいのかね?
いきなり予想もしていない現実に直面することになる。
十分更正できる人間が、更正をするすべを無くしてしまうのではないかと感じるが・・・

0