2005年 韓国映画 『ウェディングキャンペーン』 〜原題 私の結婚遠征記
チョン・ジェヨン ・・・ホン・マンテク役
幼い頃の或る出来事で、女性と目を合わせることも出来なくなった、純真無垢な38歳になる独身男性・・・
母親や祖父の落胆を見るにつけ、幼なじみの悪友に誘われ結婚相手探しの一大決心をスルが・・・
スエ ・・・キム・ララ役 又は北朝鮮名 キム・スニ
複雑な事情を抱えた女性・・・
ウズベキスタンでの事業で、マンテクの通訳をしていたが・・・
ユ・ジュンサン ・・・パク・ヒチョル役
全てに要領が良く、幼なじみのマンテクとは真反対の性格・・・
やることなすこと全て要領よくこなし、一見結婚相手探しなんて簡単な事のように写る。
しかし、彼の心には実は大きな傷跡があった!
それを知っているのは、マンテクだけだった・・・
〜子供時代、マンテクは悪友の竹馬の友ヒチョルの誘いに乗って、女性風呂の覗きをやっていた。
常にヒチョルがいいめを見て、マンテクに替わった時はもうすでに風呂から上がり、見ても仕方が無い状態。
マンテクがヒチョルにぼやく・・・
『次は俺が先だぜ!』
しかし、ヒチョルに言ったつもりのマンテクは次の瞬間体が硬直した。
ヒチョルはもうそこには居ず、目の先には彼の大好きな同級生の女の子が立っていた。
二人のお互いの、硬直した沈黙の時間が流れる・・・
どうやら、マンテクはその女の子のお母さんの覗きをやっていたらしい。
女の子がお風呂場に駆け込むのと、マンテクが全速で逃げ出すのは同時だった。
それ以来マンテクは、同年代の女の子の顔をまともに見ることが出来ない性格になり、早や38年の年齢を重ねていた。
マンテクの父親はすでに他界しており、口うるさい母親と結婚の縁を作ってやれない事を悔やむおとなしい祖父と一緒に暮らしていた。
祖父は、思い余って近所で外国から来たという嫁の事を聞きに行く・・・
姑は、その娘が ウズベキスト・・から来たという・・・
祖父から、その事を聞いたマンテクは友達のヒチョルに相談する。
ヒチョルと一緒にその国が、ウズベキスタンで有る事を調べ、さらにヒチョルが見合い紹介所を探し出し、一緒に行こうとマンテクを誘う・・・
実は、要領がよく何にも不自由が無いように思える、タクシー運転手をしているヒチョルだったが、数日前に或る子持ちの女性がタクシーに乗ってきた。
以前何か知り合いらしい二人は、お互いにぎごちない状態が続く・・・
一大決心をして、ヒチョルと一緒にウズベキスタンに向かう事を決心したマンテクだった。
マンテクはヒチョル達と一緒に結婚紹介所を訪れ挨拶する。
マンテクにはララと呼ばれる女性が通訳に付いて、早速結婚相手の紹介が始まった。
しかし、下手な英語を駆使しながらも、華麗で要領よく立ち回るヒチョルと違って、マンテクは失敗ばかり・・・
何しろ、相手の女性の顔がまともに見られないのだから・・・
見合い会場で、会話も上手にする事が出来ない・・・
水当たりでおなかを壊した上に・・・
サウナで付けたキュウリパックで顔にあざだらけという失態が続く・・・
一方、マンテクのお世話役になったララには、何か事情がありそうな気配が・・・
この紹介事業に命を掛けている様子で、必死にマンテクのお世話をする。
女性の顔を見ることが出来ないマンテクに対し『私の顔を見て!』とせまり、壁に追い詰める。
話が下手な彼に対して、話し方を教え・・・
顔があざだらけになった彼に対して、ひざを交えて顔の手入れをする・・・
そうこうしている間に、マンテクには何か違った感情が芽生えてくる・・・
ララの前ではうまく話が出来、彼女に『話が上手なんですね!』と言わせる。
マンテクは紹介される女性ではなく、ララ本人に心を動かされていく・・・
一方ヒチョルは、見合いをした相手の女性アルロナとは、要領のよい彼の事うまく心を摑んだらしい。
しかし、マンテクとヒチョルと一緒に出席した友達の結婚式で、花嫁の前彼がつらそうな顔で祝福を述べたのを見た、ヒチョルはその翌日アルロナとの付き合いをなぜか断る・・・
彼女が涙を流しながら、『なぜ?』と問いかけるのを横目に見ながら・・・
順調に進んでいたと思われていた結婚紹介事業も、前申請者達の事実と異なる待遇を受けているという訴訟によって、事業が停止されマンテク達は韓国に送り返されることになった。
マンテクとヒチョルはお互いに酒を飲みながら『悔いは無いのか?』と問いかける。
ヒチョルは以前愛した女性に思いを寄せ、プロポーズしながらゴールインできず、その女性が他の男と結婚し心に大きく傷を受けた、マンテクしか知らない事実を、酔った勢いでしゃべる・・・
都合のいい事は忘れ、覚えてなくていい事は覚えてるとヒチョルにボヤキを入れさせる。
ヒチョルは翌朝、アルロナの所に土下座をしながら謝りに行く。
僕が悪かったと・・ 君の流した涙が以前の悪夢を呼び起こさせたと・・
しかし、一緒に行ったマンテクもろとも、つまみ出される。
今度はマンテクの番だ・・・
必死で、ララを探し出し・・・
最後に必死の思いで『迎えに来るから・・』という言葉を繰り返す。
しかし、彼女の答えはむなしく『心だけ 頂いて置きます』というものだった・・・
悲嘆の心でウズベキスタンを去る日が来た、二人・・・
動き始めたバスの中でヒチョルの目に、そっと見送りに来たアルロナの姿が写り
『アイラブユー』を繰り返すヒチョル・・・
飛行場に付いた、マンテクの目の前で見合いの相手を怒らせた、ララ本人に送ったハンカチーフを子供が振っている。
子供に頼んでハンカチーフを振ってもらった、ララが柱の影から彼を見送っている・・・
〜一年後、韓国でアルロナと一緒に子供に恵まれ幸せに暮らしている、ヒチョルの姿があった・・・
相も変わらぬ農作業だけの暮らしを続けているマンテクの所に、大使館からの知らせが届く。
ララこと北朝鮮籍スニが、危険を冒して韓国に亡命してきたと・・・
マンテクは大喜びで走りながらつぶやく・・・
『僕の結婚遠征記は 始めは惨めなものかも知れないが、最後は成功に終わる!』

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