2008年 韓国映画 チャングンソクの『赤ちゃんと僕』
チャン・グンソク ・・・ジュンス役
父親が建設会社を経営している、お金持ちの息子で高校生のジュンス
しかし、本人は学校で喧嘩ばかりに明け暮れている不良学生
ムン・メイスン ・・・ウラム役
或る時、スーパーでジュンスの前に現われた、生まれたばかりの赤ちゃん
キム・ビョル ・・・ビョル役
幼い頃から勉学に優れたが、小学生・中学生時代から先生以上の知能を持っていた為
学校では常に嫌われ者として扱われ、いつしか学校に通わなくなってしまった女子高校生
コ・ギョピル ・・・ギソク役
ジュンスの遊び友達
チェ・ジェファン ・・・チュンソン役
ジュンスの遊び友達
高校生のジュンスは、学校一の悪で喧嘩をさせたら誰にも負けない。
しかし、それだけにいつも学校では問題ばかりを起こしている。
今日も、学校での遊び仲間の手下二人が、よその学校の喧嘩仲間に捕まってやられている。
オートバイに乗ったジュンスは、その喧嘩の中に飛び込み一人で何人もの相手をやっける。
助けた手下二人に『俺が居ない所で喧嘩するな!』と捨てゼリフをはきながら・・・
そんな日常茶飯事の喧嘩を終えた後、ジュンスは学校の正門に向かう。
そんな時、正体不明のにわとりのパジャマを着た若い女性ビョルが、学校の前に立っていた。
ビョルとジュンスは危うくぶつかりそうになる。
ジュンスは得意の大声で彼女を恫喝するが、ビョルは驚くどころか、かっこいいジュンスにどうやら一目ぼれをしたらしい。
ビョルは急いで家に帰り、よその地域から転勤してきた両親に学校に就学すると伝え驚かす。
実は彼女は幼い頃から、勉学は抜群の能力を持っており、教える先生以上の学力を有していた為、先生からは嫌われ生徒からはあまりに自分達とは学力が図抜けていた為、のけ者にされていつしか学校に通わなくなってしまっていた。
そんな、彼女がいつになく学校に行くと言い出し、九人の子持ちの両親を驚かせる。
さて、転校初日、先生に紹介されたビョルは、勉強が出来る位置にとの配慮を省みず勝手にジュンスの横の席に座り、先生を困らせる。
ジュンスが『よそに行け!』と恫喝するが、ビョルは柳に風の風潮でいう事を聞かない。
学校一の悪でわがままし放題の男と、学校一の知能者だが変わり者の女の、学校での生活が始まった。
そんな或る日、ジュンスの喧嘩の事で彼の両親に学校に来るように連絡が入る。
今まで何度もこんな事が重なった両親は、嫌になったと同時に彼の更生を考えて、有り得ない両親の方が家出をしてしまった。
そんな事も知らないジュンスは、或るスーパーでぼんやりしているうちに、目の前に赤ちゃんが置かれているという、非常事態に出会う。
ジュンスは困って役所に紛失物として届け出るが、その赤ちゃんの枕元に置いてあった紙切れを見てびっくりする。
その紙には『ジュンス貴方の子供よ!』と書かれている。
仕方なく、ジュンスはその子を家に連れて帰ることにした。
しかし、建設会社を経営している父親の豪邸に帰ったジュンスは、頼みの綱の両親が家出をして誰もいない事に気づく。
ちょうどその時、喧嘩の憂さ晴らしに遊び仲間を家に呼び騒ごうぜと約束していた仲間が家に集まってくる。
その中になぜかビョルが混じっていた。
赤ちゃんの世話をした事もないジュンスに、九人兄弟で育った環境のビョルは適確に世話の仕方を教える。
それから、ビョルに助けをもらいながらのジュンスの子育てが始まった。
ジュンスは以前付き合っていた、何人もの女性に『お前の生んだ女か?』と詰め寄るが、ことごとく相手にされず、顔を叩かれた上にすごすご帰る事になる。
困り果てた、ジュンスは在る晩、最終手段に出る・・・
しかし、ゴミ置き場に捨てようと思うと、監視の人に見つかってしまい、施設の前に捨てようと思うと、同じ思いを持った人とぶつかってしまい、失敗する。
仕方なく、再び家に連れて帰ることに・・・
そんな生活をしていた或る日、学校の担任から電話が掛かる・・学校に出て来いと。
学校に行けるはずがないと、彼は反論するが事情を知らない教師が聞き入れるはずがない。
彼は子供を抱えたまま、学校に行くことになった。
しかし、それがかえって問題を大きくしてしまった。
赤ちゃんを連れて学校の授業に行くという、前代未門の事態で授業が全く出来ない。
しまいには、父親がPTAの会長をしている、勉強は出来るか協調性のない男が騒ぎ立て、彼は問題児扱いになり、学校での待遇について教授会が開かれることになった。
しかし、以前からジュンスをよく思っていなかった教頭は、この際に退学にして学校から追い出すべきだと色んな機会に、教授会で圧力を加えるが、なぜかその都度ビョルが職員室にいて、教頭の提案について理論的に明快な反論を繰り返して、教頭の陰謀を止める。
そんな或る日、彼の遊び友達のギソクが学校に来ない理由を、ジュンスは知ってしまった。
それは、ギソクの母親が病気で入院していて、その入院費を稼ぐ為にバイトをしなければならなかった為だ。
しかし、そんなギソクもついに行き詰ってしまった事を、たまたま行った病院で見かける。
母親の入院費が払えなくなってしまって、医者から見離されそうになっていた。
優しい、ジュンスは両親が家出をした時に置いていった、10万ウォンもの金を彼に渡し一文無しになってしまった。
赤ちゃんを育てる為に、バイトに行くことになった彼は、クラブで若い女におもちゃにされたり、子供づれでは仕事のない事に気づく。
疲れ果てた、彼は終電車で寝込んでしまい、到着駅の放送で慌てて電車から飛び降り、赤ちゃんを列車に忘れてしまう・・・
列車が走り出して気が付き、彼は必死で追いかけるが、間に合うはずもない。
そんな彼も、悪人の心がふと顔を出す・・
追いかける必要はない!これですっきりしたじゃないか!!と・・・
家に帰ってベットに付いた彼だったが、今度は善人の心が顔を出す・・
警察に行って、赤ちゃんを連れ戻す彼だったが、両親が家出していない彼の事、保護者として担任の女教師が呼ばれ、その赤ちゃんの母親と間違われて怒り心頭に達する。
また、お金が全く無くなって、ふと出来心で泥酔者の財布を盗んでしまい、逃げる為にタクシーに乗り込もうとして乗った車がパトカーだったりする。
その保護者として呼ばれたのが、また女担任教師だった。
彼女は、いつも彼に悩まされて怒り心頭だが、彼のあまりのしょげ返りにかわいそうになりそっと自分のお金を別れ際渡してやる。
そんなおり、彼が通う学校で教授会が開かれ、ジュンスの処遇についての話し合いが行われた。
教頭は、いつも通り校則規定違反で退学一点張りだったが、女担任教師の反論とそこに居合わせたビョルの明確で理論的な反論で、停学処分に収まった。
ジュンスの両親は家を出たが、常に子供の事が気に掛かる。
或る朝、母親が家の前を伺っていて、ビョルが赤ちゃんを抱いて出てくるのを目撃する。
すっかり、その子供がジュンスの父親の子供だと勘違いした母親は急いで、ねぐらにしているサウナに急ぐ。
ジュンスがいつも通り帰ってくると、家に両親がいた。
それは誰の子かと責める。
母親は父の子だろうというが、ジュンスはハッキリと僕の子だと答える。
両親は、家に帰り風をひいている母親は子供の世話を、父親はジュンスの停学の理由を学校に問いただすことになった。
教頭は相変わらずの論調だったが、父親が強く反論し、またなぜか教員室の中にいたビョルが決定的な論調を繰り出し、教頭の言葉は却下された。
しかし、そんな時父親の携帯に電話が鳴った、赤ちゃんのウラムが病気になったという母親からの電話だった。
病院に駆けつけたジュンスは、ウラムが肺炎になりかかっている事を知り、母親を激しく叱る・・自分の風邪をうつしてしまったのだろうと・・・
それを見ていた父親は、ジュンスと二人きりになった時、母さんは可愛そうな人間なんだから責めてくれるなと頼む・・自分と結婚したことで彼女の人生はハチャメチャになったと・・・
母親が病院で付き気っきりになっている頃、ジュンスは家に帰り母親の日記を見る。
それは、ジュンスが幼い頃肺炎にかかり、必死で回復を祈る母親の日記だった。
ジュンスは病院で、徹夜の看病をする母親に謝る。
そんなある晩、ジュンスは仲間のギソクから真実を聞かされた。
それは、ジュンスの前に置かれた赤ちゃんは、ジュンスの子供ではなく実はギソクが女に産ませた子供だったこと・・・
その女性がアメリカに留学する為ギソクに預け、思い余ったギソクがスーパーでボウーとしていたジュンスの前に、お前の子供だと書いて逃げ去ったこと。
事実を知って、怒り狂うジュンス・・・
ウラムはお前に返すと・・・
しかし、朝起きてそばにウラムがいないことに、意気消沈する別の姿も有った。
学校の試験結果が発表になり、ビョルは100点満点でトップになり、PTA会長を傘に着た生徒は負け犬のようにこそこそ逃げ去る。
そんな中、校内で一躍人気者になったビョルの頭をなでて通り過ぎる、学校に復帰したジュンスの姿があった。
しかし、ギソクは子供を育てる余裕はない・・・
ビョルと彼の仲間たちは、ジュンスにウラムはアメリカに養子として出される事を伝える。
全く話を聴かないジュンスに、ビョルは『悔いのない行動を取りなさい』と言い切る。
赤ちゃんがアメリカに旅立つ当日が来た。
思い悩んでいたジュンスは、時間ギリギリになって、バイクで突っ走る。
空港に着くと、もうすでにアメリカ夫妻に渡った赤ちゃんを探して、空港内ゲートを乗り越えて走り出す。
必死で走るジュンスに呼応するかのように、アメリカ人の女性に抱かれたウラムは手を伸ばす。
しばらくして、ウラムを取り返したジュンスと心を入替えたギソクの姿があった。
そして、片想いのビョルからサプライズのキッスも・・・
そんな、ジュンスの姿を見ながら、彼の両親は若い頃を想いだす・・・
彼の父親の前に『貴方の子よ!』と書いてジュンスを置き去りにしたが、物陰に隠れたままその場を立ち去れ切れない母親の姿があったことを・・・


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