2007年製作 韓国映画 『止められない結婚』
キム・スミ ・・・シム・マルニョン役(キベクの母親)
イム・チェム ・・・パク・チマン(ウノの父親)
ユジン ・・・パク・ウノ(紙人形作家)
ハ・ソクチン ・・・ワン・キベク(整形外科医)
アン・ヨノン ・・・ワン・エスク(キベクの姉)
ユン・ダフン ・・・パク・チル(ウノの叔父)
ウノの母親は、若い頃は夫に浮気され苦しい時期が有ったが、不動産業で成功し女手一つで子供の姉弟を育てていた。
彼女は、今ゴルフ場の開発に心血を注いでいるが、その建設計画地内にただ一人だけ墓地の区画を売らないと粘る地権者がいて困り果てていた。
一方、その息子キベクはプレイボーイで遊び好き、今日も彼女に連れられてパラグライダーの体験に出掛ける。
インストラクターと一緒に大空に飛び立ったが、高所恐怖症の彼は上空で運転の邪魔をして、パラグライダーを失速させ落下してしまう。
幸い木の枝に引っかかり、怪我を免れた彼だったが、一緒に引率したインストラクターが若い女性と見ると、自分の不手際で有りながら、落下した事を女性の責任にしてぼろくそに言う。
一方、インストラクターのウノは、自分を棚上げして言い張るギボクにカッとなるが、彼が上空で恐怖のあまり失禁してしまった事を見つける。
ギボクとウノの出会いは最悪の状態で始まってしまった・・・
ギボクは医師で、整形外科を担当しているが、その彼を訪ねて女性の患者がきた。
しかし、治療の話をしている時に、その子供が待合で失禁したと看護婦が・・・
母親は、子供をしかりつけるが、なぜか関係ないはずのギボクがその子供をかばう・・・
『失禁したくてしたんじゃないはず』だと・・・
その時、ギボクに携帯電話が掛かる・・宛先は『小便小僧』と表示されて・・・
ギボクは、その携帯の相手先を訪ねる。 相手はウノで、寂れた紙人形工芸をしていた。
ギボクは、自分の失禁の事実を見られているウノに対し、大金を渡して内緒にするように工作する。
しかし、ウノはお金を受け取らない・・どうしても渡そうとする彼に対してウノは、紙人形工芸の受講生徒になることを勝手に決め付ける。
しばらくは、紙人形工芸に通っていた彼だったが、二人は学校では喧嘩が絶えなかったが他の受験生は若いかっこいい男に人気が沸騰・・・
しかし彼が、受講に来なくなって生徒達が騒ぎ出す、ウノに彼を来させてくれと・・・
ギボンに電話を掛けたウノだったが、飲みに忙しいギボンはウノに恥をかかせようと、ナイトクラブに出張教習に来いと命じる。
普段着でのこのこやってきたウノに、ギボンの取巻きは案の定冷たい視線と言葉を浴びせる。
ウノをダンスに誘い出したのはいいが、彼女は踊り方を知らない・・父親と一緒にやっていたカンフーを踊り近くの男性をけりつけてしまう。
怒った男は、ウノに殴りかかるが、ギボンがかばい身代わりになって気絶する。
『世話の焼ける女だと・・』言い残しながら・・・
ウノはやっとの思いで帰途に着くが、なぜかギボンが家まで付いてくる。
誘い出した女は家まで送るのがプレイボーイの鉄則だと自負しながら・・・
家に着いたウノは父親に見つかるまでに、彼を返そうとするが、それがかえって恋人のように、父親に見られ家に通される。
ウノの父親は、海軍出身で固く頑固な男だった。
軟弱なギボンを気にいるはずがない・・
しかも悪い事にウノの事を聞かれ、整形外科の職業上彼女の乳が垂れているという事まで言い出す・・手術をしなければといい父親の癇癪を誘う。
ほうほうの体で、家を飛び出したギボンが今度はウノに仕返しをする。
自分の家に来いと、母親としくんでウノに約束をさせる。
いつも、とんでもない女を家に連れてきて困らせるギボンだったが、今度はまともそうな女性だったと母親を一旦は喜ばせるが・・・
家に来たウノを、母親は新任の家政婦さんかと見間違う・・・
あまりの、家系の違いからギボンの母親は、財産狙いの結婚詐欺かとウノの事を疑い、散々な事をいいウノを追い出す。
両家の親と散々な目に逢った二人だった・・
そして、あれほどきらいで喧嘩ばかりしていた二人が、その夜別れた後なぜか一人きりになったベッドで、お互いに相手の事を思い浮かべる。
いつしか、二人の間には熱烈な愛情が芽生えており、ギボンがウノに告白する。
二人はさっそく、両方の親に説得工作を仕掛ける。
ギボンはウノの叔父のアドバイスを受けて、父親の大好きなすずりを持って参上する。
父親の好きな海軍の話題を取り上げて、父親に取入ろうとするギボンだったが、海軍の出征免除を受けていた彼は、父親の質問に対して返事がしどろもどろ・・・
ついには、嘘をついていたことが発覚し、父親を逆上させてしまう。
持ってきた、硯を差し出した彼は、一旦は父親の機嫌を直す事に成功する。
しかし、値札がついている事を気にした彼がもみ合っているうちに、大事な硯を落として壊してしまうという失態に・・・
一方、今度はギボンの母親の説得に・・・
手作りの味噌を持っていったウノは、臭いものを持ってきたと相手家族の一斉の反感を買う。
その事が発端で、ギボンの母親とウノの父親は二人っきりで逢う機会が多くなり、相変わらず水と油のような仲だったが、お互いに相手の今まで生きてきた事情を知る事になり、徐々に打ち溶け合っていた。
しかし、その犬猿の仲でも子供二人を結婚させてはいけないという事では、意見がぴったり合い、二人で結婚阻止行動に出ることに・・・
若い二人だけで、旅行を計画して親に打ち明けると、その親が両方付いてくるという意外な展開になる。
若い二人には、年老いた両方の親シムとチマンは邪魔な存在だったが、なぜかその親はかまわず楽しんでいる様子・・ますます身近な存在になっていく。
若い二人を外に追い出した後に、シムとチマンはお互いに酒を飲み昔話に花が咲く。
そして、ウノとギボンが帰ってきた時、ちょうどシムとチマンが酒に酔って抱きつくような姿勢になる・・・
両親が結婚するかも知れないと気がついたウノとギボンは動揺する。
両親が結婚すれば、自分達は義兄弟となり結婚する事が出来ないからだ。
それが二人の結婚の反対に大きな効果がある事に気づいた二人は、それ以来仲のいいふりをするようになる。
しかし、或る時チマンの家に行った際にシムは、自分のゴルフ場の開発の地域の中で一区画だけ土地を売らない相手が、チマンだと知る事になる。
それまでに、お互いに相手の事をぼろくそに言っていた二人は、一気に破局の喧嘩別れをしてしまう。
その後、家に帰ったシムはウノが以前持ってきてくれた味噌を出して、一人でご飯に掛けて食べる風景があった。
昔の厳しかった生活を想いだし、涙を流しながら・・・
ウノとギボンは、お互いの両親が結婚を考えていると勘違いし、二人の為に自分達の結婚はあきらめようとする。
そんな姿を見て、ギボンの姉とウノの叔父は結託して若い二人の為に一肌脱ごうとする。
それは、もうすでにギボンの姉エスクに子供が出来た事にして、親よりも先に結婚してしまうと言う戦略だった。
そうすればウノとギボンが結婚できると・・・
しかし、とうとうシムに危機が訪れた・・・
大手融資先のアンドリューが、ゴルフ開発の買収が進まないことを理由に、融資の取り下げを伝えにシムの家にやってきた。
アンドリュー側の意思は固く、しかもシムの態度にさらに腹を立てた相手との話は決裂してしまった。
アンドリューが帰ろうとしたその時、ウノが何かを持ってシムの家を訪ねてきた。
玄関先でウノとアンドリューが鉢合わせをする。
アンドリューの目がウノの持っているものに目が留まった。
ウノが持ってきたものは、シムに対して渡そうとして持ってきた、手作りの韓国工芸紙人形だった。
実は、アンドリューは世界の人形を収集するコレクターだった。
アンドリューが人形の素晴らしさを誉めて『何かこれにはいわれがあるのですか?』とウノに聞く。
ウノが静かに話し始める。
それは、シムがたどってきた苦難の生活から、子供を立派に育てるまでの涙物語だった・・・
それに感動したアンドリューは、シムにこの女性との間柄はどのようなものですか?と聞く
シムは、少しためらったが落ち着いた声で語った『息子のフィアンセです』と・・・
素晴らしい民芸の人形と、ウノの語るシムの苦難からの逆境物語を聞いたアンドリューはすっかり感激し、投資の取止めは取り下げる事になった。
一方、チマンは奥さんが眠る墓地について、事情は理解しながらも『奥さんは手放してあげなさい』というシムの話に説得され、奥さんとの決別を決意する。
そして、すっかりその土地は他の地権者に売り払われるものと落胆していたシムに、静かに権利書を手渡す・・・
『貴女に逢った当初から、土地は渡そうと思っていたんだよ』と優しく声を掛けながら・・・
結局、ウノとギボンの結婚は 誰にも止められなかった・・・
しばらくして、ギボンの姉エスクを無理やり嫌いな人と縁談させるという、シムたちの姿があったが、そこに邪魔をしに入りエスクと一緒に逃げるウノの叔父チルの姿もあった・・・
まるで僕たちの結婚も止められないんだよ・・と言っている様に・・・
ユジン
ハ・ソクチン


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