「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(Sophie Scholl - Die letzten Tage)
監督:マルク・ローテムント 製作:クリストフ・ムーラー/スヴェン・ブーゲマイスター/フレッド・ブライナースドーファー/マルク・ローテムント 脚本:フレッド・ブライナースドーファー 音楽:ジョニー・クリメック/ラインホルト・ハイル 2005年ドイツ 上映時間121分 カラー・ヴィスタサイズ 配給:キネティック
出演:ユリア・イェンチ/アレクサンダー・ヘルト/ファビアン・ヒンヌリフス/ヨハンナ・ガストドロフ/アンドレ・ヘンニック/フロリアン・シュテッター/ヨハネス・シューム/マキシミリアン・ブリュックナー/リリー・ユング/ユーグ・フーベ/ペトラ・ケリング/フランツ・シュターバー
上映館:新潟シネ・ウインド
採点:★★★
たぶん、結末を全く知らずに観たなら、もっと印象は違っていたと思う。あらかじめ結末を宣伝することが、この種の映画にとっては効果的なのだろうけれども、そうした情報が純粋に映画を観る上でプラスになることは殆どない。
この映画のヒロイン、ユリア・イェンチ(役名ゾフィー)は「ベルリン、僕らの革命」が印象的だった。反体制の女子学生という役柄はこの作品と相通じている。ただ、「ベルリン・・・」の方がより魅力的ではあった。ただ、舞台劇のように尋問官アレクサンダー・ヘルト(役名モーア)との心理戦が見どころ。それこそがこの映画の白眉であり、それ以外の部分は付け足しに過ぎない。
だから、狂気の裁判長による裁判のシーンとか、ナチスの行った行為の非人道性などは、背景として描かれるのみに留まっており、実際にはそういうことを描こうとしているようには思えない。ただひたすら、ゾフィーとモーアの対決こそが監督の描きたかった唯一のものであるように思える。ただ、それはひとえに俳優の演技に頼りきってしまっているようにも見えるのが残念。

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