Tomo'sシネマ

「好きだ、」

監督･脚本・撮影・編集:石川寛 音楽:菅野よう子
2005年 日本 配給:ビターズ・エンド 104分 カラー・ヴィスタサイズ
出演:宮崎あおい/瑛太/西島秀俊/永作博美/小山田サユリ/野波麻帆/加瀬亮/大森南朋

上映館：新潟シネウインド

採点：★★★★

　青春期のもどかしさを見事に描いた佳作。高校の同級生が「好きだ、」といえずにそのままお互いの感情を告げぬまますれちがい、17年後に偶然再会する。高校生を演じた宮崎あおい（ユウ）と瑛太（ヨースケ）が成長して永作博美と西島秀俊になるのが成功のポイント。自然な感じの演技で４人とも好演。ただ、ユウの姉が事故にあうエピソードやヨースケが暴漢に襲われるなど、ストーリーを盛り上げるために無茶な設定をもってきてしまった点が惜しまれる。そういう事件なしに最後に「好きだ、」と言える映画になって欲しかった。それらはストーリー展開を楽にするという面はあるけれども、作品を通俗的なものにしてしまう。この作品には、そういうものは必要ない。

「ククーシュカ　ラップランドの妖精」KUKUSHKA (THE CUCKOO)

監督・脚本：アレクサンドロ・ロゴシュキン
出演: アンニ＝クリスティーナ・ユーソ/ヴィッレ・ハーパサロ/ヴィクトル・ブィチコフ
2002年・ロシア 上映時間104分 カラー　ヴィスタサイズ 配給:シネカノン

上映館：新潟シネウインド

採点：★★★★

敵対しあうロシア兵とフィンランド兵とサーミ人女性の奇妙な共同生活。お互いに言葉が通じず、誤解しあいながらも徐々に心が通じてゆくのが面白い。誤解から銃で撃ってしまい、黄泉の国へと旅立つ男を、必死にアンニが呼び戻すシーンは不思議な感動がある。最後に旅立っていった二人の男からそれぞれの種をもらって双子の男の子を設ける彼女、やはり妖精だったのかも。