「武士の一分(いちぶん)」
監督:山田洋次 製作:久松猛朗 プロデューサー:深澤宏/山本一郎 製作総指揮:迫本淳一 原作:藤沢周平「盲目剣谺返し」脚本:山田洋次/平松恵美子/山本一郎 撮影:長沼六男 美術:出川三男 音楽:冨田勲 音楽プロデューサー:小野寺重之 2006年日本 121分 配給:松竹 カラー・ヴィスタサイズ
出演:木村拓哉/檀れい/坂東三津五郎/緒形拳/桃井かおり/笹野高史/小林稔侍/赤塚真人/綾田俊樹/近藤公園/岡本信人/左時枝/大地康雄
上映館:ワーナー・マイカル・シネマ新潟(スクリーン1)
採点:★★★★★
木村拓哉を主演ということで、いったいいかなる映画になるかと危惧もあったけれども、しっかりと山田洋次ワールドで一安心。キムタクがこの映画の主演であることの必然性はともかくとして、少なくとも邪魔はしていなかった。観客の大半は20歳代の若い人たちで興行的にはキムタク主演はプラスかもしれない。
なにより壇れいが素晴らしい。つくづく山田洋次作品の魅力は女性である。そして中間の笹野高史もいい。こうした脇役にささえられて、木村拓哉の、表裏のない演技が生きてくるのだ。何気ない日常をひとつひとつ丁寧に描くこと、夫婦の情愛、感情のすれ違い、そうした絵にならないものを絵にすること、それこそが映画の醍醐味なのだなあと思う映画であった。
ただ、上映スクリーンが500人規模の大スクリーン。音響も大きすぎて4畳半なのに声が響き渡ってしまうのは違和感を感じた。この映画はこじんまりした映画館で観るのがふさわしいですね。

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