「ぼくの大切なともだち」(MON MEILLEUR AMI:MY BEST FRIEND)
2006年フランス カラー シネスコ 96分
配給:ワイズポリシー
監督:パトリス・ルコント 製作:オリヴィエ・デルボス/マルク・ミソニエ 原案:オリヴィエ・ダザ 脚本:パトリス・ルコント/ジェローム・トネール 撮影:ジャン=マリー・ドルージュ 美術:イヴァン・モシオン 編集:ジョエル・アッシュ 音楽:グザヴィエ・ドゥメルリアック
出演:ダニエル・オートゥイユ/ダニー・ブーン/ジュリー・ガイエ/ジュリー・デュラン/ジャック・マトゥー/マリー・ピレ/エリザベート・ブールジーヌ/アンリ・ガルサン/ジャック・スピエセル/フィリップ・デュ・ジャネラン
上映館:新潟シネウインド
採点:☆☆☆☆
仕事一筋でがむしゃらに働いてきた男フランソワが自分の誕生日にビジネスパートナーの女性から「あなたには友達はいない」と言われて10日以内に友達を連れて来るという賭けをして友達を探すことに。たまたま知り合ったタクシーの運転手ブルノに人付き合いを習ううちにいつしか彼こそが友達だと思える。しかしブルノを真の友達だと仕事仲間に証明しようとしたことが彼を傷つけ、彼こそが真の友達だと気づいた時には彼は去っていった後だった。ブルノがクイズマニアでクイズ番組に挑戦することが夢だったことを思い出したフランソワは知り合いのTV会社社長に頼んでブルノをクイズ番組に出演させるようにする。ブルノはクイズ番組で勝ち進み最後の問題でつまづき、ライフラインとしてフランソワを指名する。正しい答えをしてブルノは100万ユーロを獲得する。
さて、1年後再開した彼ら。果たして友情は続いているのだろうか。クイズ番組の最終問題、第1回印象派展に出品しなかったのはマネかモネか、という質問は、第1回印象派展に出品されたモネの「印象日の出」という作品を酷評されて印象派という名前が始まったことを美術愛好家ならずともわかることでクイズ王のブルノがこんな簡単な問題でつまづくというのもちょっとありえないようにも思える。極度の緊張で上がり症のブルノが答えられなくなったのだろか。この問題でブルノがフランソワに電話をかけてくることをフランソワは最初から期待していたのだろうか。ブルノは答えを知っていながらフランソワに電話をしたのだろうか。そういう風に見ていくと、単純そうに見えたラストも深みのあるものとなるだろう。うがった見方なのかもしれないけれども、映画は見る側が勝手に解釈する楽しみもあるのだ。
どちらにしろ賭けをしなかったらフランソワは友達なんで必要だとも思っていなかっただろう。そういう賭けを申し出たビジネスパートナーも、人生仕事だけじゃないよって言いたかったのだろうし、彼は良い仲間を沢山持っていたのにそれに気づいていなかっただけなんだろうな。

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