「私たちのハァハァ」
2015年 SPOTTED PRODUCTIONS 91分
監督:松居大悟 企画:直井卓俊 プロデューサー:高根順次/林武志 脚本:舘そらみ/松居大悟 撮影: 塩谷大樹 衣装:纐纈春樹/宮部幸 編集:松居大悟 音楽:クリープハイプ 主題歌:『わすれもの』
出演:井上苑子(一ノ瀬)/大関れいか(さっつん)/真山朔(チエ)/三浦透子(文子)/クリープハイプ/武田杏香/中村映里子/池松壮亮
上映館:新潟シネウインド
採点:★★★☆☆
北九州の女子高生4人が、大ファンのバンド「クリープハイプ」のライブを見るため、ママチャリで東京を目指します。当然途中で力尽き、ヒッチハイクでなんとか神戸までたどり着き、ファン仲間からチケットを購入。しかしお金がない。バーのアルバイトをするも、年齢詐称がバレ、4人は険悪な雰囲気に。果たして彼女らはライブにたどり着けるのでしょうか。
画面サイズが最近珍しいシネスコなのですが、彼女たちがホームビデオを撮る場面から始まり、そのホームビデオによる主観映像はビスタサイズになり、客観視された映像はシネスコになる、という風に切り替えています。主観映像を多用することによって躍動するように彼女たちの生身の姿をとらえます。
思いつきをすぐさま行動に移してしまう彼女たちの姿は、若さゆえの自由と捉えることもできますが、家出少年が惨殺される事件などを目の当たりにしてしまうと考え込まざるを得ません。
この映画には、親をはじめとして、大人がほとんど出て来ません。ヒッチハイクのドライバーも、バーで働くよう勧めるファン仲間やバーの店長も、諭すわけでもなく、基本的に彼女らに対して無関心です。
スカッとした青春映画風に撮っているけれども、実はとても居心地の悪い、誰もがお互いに無関心であるという空虚さを感じた映画でした。
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