「あやしい彼女」
2016年 松竹 125分
監督:水田伸生 製作:中山良夫/チョン・テソン/由里敬三/薮下維也/沢桂一/久保雅一/村松俊亮 エグゼクティブプロデューサー:門屋大輔 プロデューサー:畠山直人/八尾香澄 ゼネラルプロデューサー:奥田誠治 ラインプロデューサー:毛利達也 共同プロデューサー:伊藤卓哉/里吉優也 脚本:吉澤智子 撮影:中山光一
美術:磯見俊裕 衣裳:篠塚奈美 音楽:三宅一徳 主題歌:anderlust『帰り道』 VFXスーパーバイザー:オダイッセイ 劇中歌プロデュース:小林武史
出演:多部未華子(大鳥節子)/倍賞美津子(瀬山カツ)/要潤(小林拓人)/北村匠海(瀬山翼)/金井克子(相原みどり)/志賀廣太郎(中田次郎)/三鴨絵里子(中田麻衣子)/越野アンナ(アンナ)/久保佑太/Kilt/田村健太郎/温水洋一(オオトリ写真館の店主)/小林聡美(瀬山幸恵)
上映館:ユナイテッドシネマ新潟SC5
採点:★★★☆☆
2014年の韓国映画「怪しい彼女」のリメイク。こちらは観ていませんが同じ年に中国でリメイクされた「20歳よ、もう一度」を観ているのでどうしてもそれらの作品と比較されてしまうのは致し方ないところです。
もともとストーリーが面白いので、そこそこ面白いのですが、中国版と比較するとどうしても見劣りする部分がいくつか出てしまいます。
まず倍賞千恵子を配して元気なおばあちゃんにしたのはどうなのか。元気すぎて「年は取りたくないものだ」という年寄りの悲哀があまり出ていないのです。そういう意味では倍賞千恵子はミスキャストだったかもしれません。
そして、一番のウィークポイントは若返った多部未華子が最初にカラオケで歌うシーン。ここは若い女の子が圧倒的な歌唱力で聞いている人すべての度肝を抜き、これを偶然耳にした音楽プロデューサーの心を揺さぶる重要なシーンです。しかし、ここで歌われたのは「見上げてごらん夜の星を」というスローバラードのナンバー。これは弱い。多部未華子に3か月歌の特訓を受けさせたそうだけど、これなら口パクで別の歌手に唄わせたほうが良かったのでは。
本作では何よりも歌唱力というのが重要だと思うので、最初から歌える女優をキャスティングするか、どうしても多部未華子を使いたいなら歌のスタンドインを考えておくとか、方法はいろいろあったと思います。
ネットのレビューでは最後のフェスのシーンで初めて聞いた曲に観客が熱狂するわけがない、というものもありましたが、歌手の歌声に圧倒的なものがあれば、初めて聞いた曲だろうが観客は沸きます。そう思われてしまったのはひとえに歌唱力不足ということであります。
なぜこの作品のリメイクなのか、どういうキャスティングをするのか、その辺があいまいなまま作られてしまった作品という気がしてしまいました。結構面白かったので残念でした。
とにかく韓国版オリジナル観たいなあ。
http://ayakano.jp/

0