「シン・ゴジラ(SHIN GODZLLA)」
2016年 東宝 120分
総監督:庵野秀明 監督・特技監督:樋口真嗣 製作:市川南 エグゼクティブプロデューサー: 山内章弘 プロデューサー:佐藤善宏/澁澤匡哉.和田倉和利 ラインプロデューサー:森徹/森賢正
脚本:庵野秀明 撮影:山田康介 美術:林田裕至/佐久嶋依里 デザイン:前田真宏(ゴジライメージデザイン) 竹谷隆之(ゴジラキャラクターデザイン)編集:佐藤敦紀 音響効果:野口透 音楽:鷺巣詩郎 音楽プロデューサー:北原京子 美術デザイン:稲付正人 VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀 VFXプロデューサー:大屋哲男 特殊造形プロデューサー:西村喜廣 アニメーションスーパーバイザー:佐藤篤司(ゴジラアニメーションスーパーバイザー)カラーグレーダー:齋藤精二
出演:長谷川博己(内閣官房副長官 矢口蘭堂)/竹野内豊(内閣総理大臣補佐官 赤坂秀樹)/石原さとみ(米国大統領特使 カヨコ・アン・パタースン)/高良健吾(内閣官房副長官秘書官 志村祐介)/松尾諭(保守第一党政調副会長 泉修一)/市川実日子(環境省自然環境局野生生物課課長補佐 尾頭ヒロミ)/余貴美子(防衛大臣 花森麗子)/國村隼(統合幕僚長 財前正夫)/平泉成(農林水産大臣 里見祐介)/柄本明(内閣官房長官 東竜太)/大杉漣(内閣総理大臣 大河内清次)
上映館:イオンシネマ新潟南
採点:★★★★☆
2014年に東京都現代美術館ほかで開催された「館長庵野秀明特撮博物館」という企画展で上映された10分足らずの短編映画「巨神兵東京に現る」。同展は新潟県立美術館にも巡回してきて私も観ました。実はこの映画が、今回の「シン・ゴジラ」の出発点だったようにも感じられます。
短編映画は、現在ではCGによって作られている特撮を、CGを使わずにミニチュアセットと火薬で作り上げようとしたもので、長年に渡って培われた特撮の技術や方法も、既に多くが失われており、展覧会ではその技術を再現しようとするスタッフの悪戦苦闘の模様を映したメイキング映像も公開されていました。その時の巨神兵の造形は、この映画でのゴジラの造形にもかなり共通点を感じます。
短編映画では、巨神兵の放つ光線で大都市が瞬時に破壊され、恐ろしい光景が繰り広げられたのですが、今回のゴジラでも、進化するゴジラは怪光線によって町中を火の海に変えます。
映画の中では、恐るべき怪獣に立ち向かう日本政府関係者の右往左往や奮闘ぶりが余すところなく描かれていますがどうしても2時間の枠に収めたかったのでしょう、登場人物は猛烈な勢いでしゃべり、行動し、いやがうえにも緊張感を高めます。ある意味パニック映画の王道の展開ではあります。
また、ラストクレジットに自衛隊関係が沢山出ており、自衛隊の宣伝映画っぽいところも否めないところです。石原さとみの演技は、まあがんばっていると思いますけど。
恐怖心としては、わずか9分の映像の「巨神兵東京に現る」が凝縮されていてすごかったので、この映画もすごいけど、ちょっと割引してしまいます。
エヴァンゲリオン+巨神兵+ゴジラ、というのがこの映画の最終的な評価ですね。旧ゴジラシリーズのテーマ曲や地球防衛軍のテーマを主題にエヴァンゲリオンの音楽もちゃっかり使い、ゴジラの鳴き声や着弾の音も昔どおりでオールドファンの心も揺さぶってさらに成長したゴジラ。当然続編も創る気まんまんてところでしょう。
第1作に勝っているとは思わないけれども、まあまあいい線行っていると思います。
http://shin-godzilla.jp/

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