「昼下りの情事」(LOVE IN THE AFTERNOON)
1957年 アメリカ(MGM)134分映倫G
監督:ビリー・ワイルダー 製作:ビリー・ワイルダー 原作:クロード・アネ 脚本:ビリー・ワイルダー/I・A・L・ダイアモンド 撮影:ウィリアム・C・メラー 音楽:フランツ・ワックスマン
出演:オードリー・ヘプバーン(アリアーヌ)/ゲイリー・クーパー(フラナガン)/モーリス・シュヴァリエ(クロード)/ジョン・マッギーヴァー/ヴァン・ドード
上映館︰Tジョイ新潟万代SC8
採点︰★★★★★
「麗しのサブリナ」同様、ビリー・ワイルダー監督によるラブ・コメディです。ここでもオードリーは二回りも年上のプレーボーイに恋をする役柄を演じています。
オードリーがオーケストラのチェロ奏者でいつも大きなチェロケースを抱えていたり、プレーボーイがいつもジブシー楽団の生演奏を従えていて、ピクニックや舟遊び、果てはサウナ風呂まで付いてきて生演奏するとか、ワイルダーらしい遊びが面白いです。
娘の口から出てくる恋の遍歴を嘘と思いつつも、真相を知りたくなったプレーボーイ、ゲイリー・クーパーが素性調査を依頼する私立探偵は、実は娘の父親モーリス・シュヴァリエで、無垢な女性を傷つけまいと、ゲイリー・クーパーもパリを去ることを決意しますが…
鉄道の駅で発車する汽車のクーパーに向かって、オードリーが必死に強がりを言うシーンは名シーンの一つですね。鉄道駅は幾つもの映画のエンディングに欠かせないシーンです。
ハッピー・エンディングですが、父親は後日譚として「二人は終身刑になった」と言う言い方で締めくくり。確かにあんな女好きの亭主との結婚は果たしてハッピーなのでしょうか。ワイルダーらしい皮肉でした。
この映画の邦題はloveを情事と訳したセンスが光りますね。中学生の頃、数学の先生がこの話をしたら、マセた一人の生徒が「loveには情事と言う意味もあるんですよ」とやって、先生が「そうかね、私は英語は良くわからないけれども粋なタイトルだと思うよ」と誤魔化して?いた事を思い出します。
とまれ、この映画、ビデオでしか観ていなかったので映画館で観られて良かったです。

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