「シェイプ・オブ・ウォーター」(THE SHAPE OF WATER)
2017年アメリカ(FOX)124分映倫R15+
監督:ギレルモ・デル・トロ 製作:ギレルモ・デル・トロ/J・マイルズ・デイル 原案:ギレルモ・デル・トロ 脚本:ギレルモ・デル・トロ/ヴァネッサ・テイラー 撮影:ダン・ローストセン プロダクションデザイン:ポール・オースタベリー 衣装デザイン:ルイス・セケイラ 編集:シドニー・ウォリンスキー 音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:
サリー・ホーキンス(イライザ)/マイケル・シャノン(ストリックランド)/リチャード・ジェンキンス/ジャイルズ)/ダグ・ジョーンズ(不思議な生きもの)/マイケル・スタールバーグ(ホフステトラー博士)/オクタヴィア・スペンサー(ゼルダ)/デヴィッド・ヒューレット(フレミング)/ニック・サーシー(ホイト元帥)ナイジェル・ベネット/ローレン・リー・スミス/ジョン・カペロス/モーガン・ケリー
上映館:イオンシネマ新潟西SC8
採点:★★★★☆
アカデミー賞作品賞受賞作。劇場で予告見たときにはなんだかCGアニメのように思えたのですが、実際には普通の実写でした。
改めて予告を見直してみると、イライザのぎこちない動きの部分を意図的に編集してファンタジックな絵になっていました。私としてはアカデミー予告編賞を差し上げたい。
イライザの自慰のシーンがR18+と認定され、それをぼかし処理する事によってR15+での公開となったとのことですが、ストリックランドの妻とのセックスシーンと合わせて、必要なシーンなのかな、とも思います。
サービスのようにセックスシーンを挿入するのは、家族で観に来る観客にとって気まずいものになってしまうわけで、疑問に思いました。
ただ、イライザについては、バスタブで自慰するのが日常となっている彼女だからこそ、水生生物の彼に恋したりするのかも知れません。
彼女が耳は聞こえるけれども声帯に障害があってしゃべれないと言うのが重要なポイントなのですが、そこから未知の生物に惹かれていく過程は予告編で思っていたより描き方が少なかったと思いました。
サスペンスを盛り上げて行くことに関心が移ってしまってイライザの心の動きはすっ飛んでしまったかのように思えました。
しかし、この映画のキモはサスペンスではなくて、異形のものに対しての性愛です。イライザが隣人の画家と親しそうにしているのに友情以上の関係にならないのは画家が同性愛者であるためなんですね。歳のせいで不能なのかと思いました。
この映画はキリスト教に対するアミニズムからの批判の姿勢が色濃く出ており、こういう映画がアカデミー賞を受賞するのは重要な事かもしれません。
主演のサリー・ホーキンスですが、ウッディ・アレン監督の「ブルー・ジャスミン」にジャスミンの妹を演じてアカデミー助演賞にノミネートされているんですね。観ているのにすっかり忘れていました。
http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/

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