「海は狂っている」
1959年 日活 88分
監督:古川卓巳 企画:坂上静翁 原作:石原慎太郎 脚本:石原慎太郎 /古川卓巳 撮影:岩佐一泉 美術:木村威夫 音楽:小杉太一郎
出演:
川地民夫(牧夫)/南田洋子(春子)/山崎雅美 (時次)/清水まゆみ (初枝)/西村晃(松川)/二本柳寛(ヒガ)/楠侑子(ヒガ夫人)/高野由美(牧夫の母)/高原駿雄/内藤武敏
上映館:国立映画アーカイブホールOZU 2019/07/20
採点:★★☆☆☆
石原慎太郎が川地民夫をモデルに書いた原作の映画化。日活は川地を青春スターにしたかったのかも知れないけれども、ちょっと華がないのね。後に脇役に回って「野獣の青春」など冷酷非常な悪役が印象的でした。
映画の内容はハーバーで暮らす若者の青春映画。牧夫は自分のヨットが欲しくて貯金をするのが日課の堅実な青年。しかし、仲間に連れて行かれたナイトクラブで出会った春子に夢中になり、貯金はどんどん減っていく。
そんな彼に中古のヨットを紹介してくれる人が表れ、念願のヨットを手に入れる事が出来た。早速春子を乗せて初航海に出る牧夫に仲間はみんな一時は春子に夢中になり、筆おろししてもらったと言い募る。牧夫は腹いせに仲間のヨットのメーンステーが切れるよう細工をする。
その夜嵐の中仲間が帰らないと心配する中、自分の弟のように面倒を見ていた時次もそのヨットに乗ったと知った牧夫は、矢も立てもたまらず、海に出て行くのであった。
ヤンチャで考え足らずの主人公、主人公を慕う純情な娘よりも商売女に夢中になる、という昔の映画によくある設定で内容に見るべきものはないけれども、当時の風俗の貴重なタイムマシンとして見るのは面白い。
特に若者を誘惑する商売女が南田洋子ってのが泣ける。後年の印象と隔たりがあるけど、彼女は元々セクシー路線で売り出したひとだったんだなあ、と改めて思いました。

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