「ロマンスドール」
2020年 (KADOKAWA) 123分 映倫:PG12
監督:タナダユキ 原作:タナダユキ 脚本:タナダユキ 製作:松井智 堀内大示/大富國正/堤天心/門田庄司/新井重人 企画:永田芳弘 プロデューサー:永田芳弘/湊谷恭史/米山加奈子 撮影:大塚亮 美術:井上心平 衣装:宮本茉莉 特殊造形:宗理起也 特殊メイク:宗理起也VFX:堀田弘明 編集:宮島竜治 音楽:世武裕子 主題歌:never young beach
出演:
高橋一生(北村哲雄)蒼井優(北村(小沢)園子)/浜野謙太(両角)/三浦透子(ひろ子)/大倉孝二(原田)/ピエール瀧(久保田薫)/渡辺えり(田代まりあ)/きたろう(相川金次)
上映館:Tジョイ新潟万代SC7
採点:★★★★★
冒頭で園子の死は言及されているのでネタバレでお送りします。
ラブドールの製作会社に造形師として入社した哲雄だが、女性経験が少ないことを憂えた先輩相川の発案で美術モデルを雇うことにします。しかしラブラドール製作では敬遠されるため、医療用乳房の開発と言うことで依頼。当日やってきた園子に一目惚れした哲雄は帰り際の駅で告白。2人は交際を始め、結婚しますが、4年経っても本当の仕事は告げられないままです。しかし、園子に癌が見つかり、余命幾ばくもないことがわかると哲雄は園子をモデルにラブドールを造ることを決意します。
映画の前半はラブドール造りを打ち明けられない哲雄がもどかしく、ずっと引っかかって観ていたのですが、お互いの秘密を告白してからがこの映画の本丸です。美術モデルとして工場にやってきた園子は相川に頼まれ、哲雄に乳房を触ることを許しますが、その時の触り方に誠実さを感じたのが付き合うきっかけだったと打ち明けます。
しかし、それからの夫婦は、行ってみればままごとの夫婦であり、お互いに隠し事なく何でも話し合えるのが夫婦であると告白してからが本当に夫婦になったと言うことなのでしょう。
園子は哲雄に自分をモデルにラブドールを造るよう頼みますが、それからの園子は人が変わったように積極的に交わりを求めて来るようになります。哲雄のラブドールが完成に近づくのに反比例するように園子はやせ衰えて行きます。
この辺の描写は蒼井優の制約からちょっと物足りなさは残ります。最低でも哲雄が園子の乳房に触れるシーンを描いて欲しかったなあ。
脇役では相川を演じたきたろうが絶品です。この人無くしてこの映画はありませんでした。また社長のピエール瀧も良かった。不祥事を起こした俳優が出演しているというだけで完成した映画の公開が出来ないと言うのはあまりにも非道い仕打ちです。この佳作を観ることが出来て幸せです。
https://romancedoll.jp/

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