「ジュディ 虹の彼方に」(Judy)
2019年 アメリカ/イギリス(ギャガ) 118分 映倫:G
監督:ルパート・グールド 製作:デビッド・リビングストーン 製作総指揮:キャメロン・マクラッケン/ローズ・ガーネット/アンドレア・スカルソ/ミッキー・リデル/ピート・シレイモン/ ローレンス・マイヤーズ/リー・ディーン/アーロン・レベン/チャールズ・ダイアモンド/エリス・グッドマン/ヒラリー・ウィリアムズ 原作:ピーター・キルター 脚本:トム・エッジ 撮影:オーレ・ブラット・バークランド 美術:ケイブ・クイン 衣装:ジャイニー・テマイム 編集:メラニー・アン・オリバー 音楽:ガブリエル・ヤーレ
出演:
レネー・ゼルウィガー(ジュディ・ガーランド)/ジェシー・バックリー(ロザリン・ワイルダー)/フィン・ウィットロック(ミッキー・ディーンズ)/ルーファス・シーウェル(シド・ラフト)/マイケル・ガンボン(バーナード・デルフォント)/ダーシー・ショウ(少女時代のジュディ)/ベラ・ラムジー(ローナ・ラフト)/ロイス・ピアソン(バート)/アーサー・マクベイン(アスキス)/ジョン・ダグリー(ロニー・ドネガン)/ジェマ・リア=デヴェロー(ライザ・ミネリ)/デヴィッド・ルービン(ノエル)
上映館:グランドシネマサンシャイン#6
採点:★★★★★
予告編でジュディ・ガーランドに扮したレネー・ゼルウィガーを観てから絶対に観ようと決めていた作品。いや、扮している、などではなく、そこにはジュディ・ガーランドがいた。
レネー・ゼルウィガーは「ザ・エージェント」以来お気に入りの女優さんでもちろん「ブリジット・ジョーンズ」や「シカゴ」など観て来てレネー節というか、コメディエンヌとして独特の雰囲気のある人として認識していました。
しかし、この映画にはレネーは居なかった。ジュディその人だけが存在していたのです。
ジュディ・ガーランドは「オズの魔法使い」で売れっ子子役として世界的な人気を博しましたが、太りやすい体質で食事制限と覚醒剤の一種のアンフェタミンを処方されていました。戦時中や戦後の一時期は芸能人が過酷なスケジュールをこなすために覚醒剤を使うことは日常的に見られ、結果として心身ともに病魔に蝕まれてしまったスターが多くおりました。
彼女もそうした1人だったのです。そのため、スケジュールのドタキャンが多く、多額の借金で首が回らなくなった彼女は2人の子どもを離婚した夫に預け、ロンドンに渡ります。
そんなどん底状態の彼女ですが、周囲の彼女を見る目は常に温かい。それは彼女が一旦ステージに上がりさえすれば圧倒的なパフォーマンスで観客を魅力出来る、言わば「金になる」存在だったからです。
それを一番判っているのはジュディ本人でした。他人の親切もすべて金儲けのためだという考えに陥り、ついに泥酔状態でステージに上がり、醜態をさらした彼女は契約を打ち切られてしまうのでした。
感情の浮き沈みの激しい彼女が、利害関係のないファンと触れ合うシーンは心打たれました。そして、やはりステージに立ってしまえば、最高のパフォーマンス。何より歌うことが好きだったんだなあ。
レネーは吹き替えなしでこのショーを完璧に演じました。僅か47歳で他界したジュディを同じ年齢のレネーが演じるという素晴らしい映画でした。
https://gaga.ne.jp/judy/

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