「5月の花嫁学校」(La bonne epouse)
2020年フランス(アルバトロス・フィルム)109分映倫:PG12
監督:マルタン・プロボ 製作:フランソワ・クラウス/ドゥニ・ピノ=バランシエンヌ 脚本:マルタン・プロボ/セブリーヌ・ベルバ 撮影:ギョーム・シフマン 美術:ティエリー・フランソワ 衣装:マデリーン・フォンテーヌ 編集:アルベルティーヌ・ラステラ 音楽:グレゴワール・エッツェル
出演:
ジュリエット・ビノシュ(ポーレット・ヴァン・デル・ベック)/ヨランド・モロー(ジルベルト・ヴァン・デル・ベック)/ノエミ・ルボフスキー(シスター・マリー=テレーズ)/エドゥアール・ベール(アンドレ・グランヴァルド)/フランソワ・ベルレアン(ロベール・ヴァン・デル・ベック)/マリー・ザブコベック(アニー・フックス)/アナマリア・バルトロメイ(アルバーヌ・デ=ドゥ=ポン)リリー・タイエブ(イヴェット・ズィグラー)/ポーリーン・ブリアン(コリン・シュヴァルツ)/アルメール(クリスティアーヌ・ルジェモン)
上映館:新潟市民映画館シネ・ウインド
採点:★★★☆☆
1967年フランスアルザス地方の花嫁学校には15人の新入生が入って来ました。彼女たちにポーレットは7箇条の良妻賢母の教えを伝えます。それは夫に隷属するようにというもので、当時結婚以外の選択肢は彼女たちには無かったのです。
ところが、この学校の経営者である夫が急死し、ポーレットは学校の経営が破産寸前であることを知ります。銀行に相談に行ったポーレットは図らずも担当者がかつて戦争の混乱で生き別れになったかつての恋人、アンドレだと知ります。
妻に先立たれたアンドレはポーレットに求愛しますが、良妻賢母の指導者の立場との板挟みからポーレットは受け入れる事が出来ません。
しかし、夜中に寮を抜け出して彼氏と密会が見つかった生徒が出たり、親が決めた年配の農場主との結婚話に悲観して自殺未遂者が出たりして、ポーレットも徐々に考え方を変えて行くのでした。
まさに5月革命前後のフランスの女性の意識革命をコミカルに描いています。ほんの50年前なのに中世のような教育方針です。しかし、この当時のフランスでは既にピルが解禁されていました。2021年の今日でも我が国では薬局でピルを買うことが出来ません。
ピルが入手出来ない日本では避妊は相変わらず女性の側に選択肢がないということであり、相変わらず我が国は女性の地位が低いまま中世のような状態に放置されているのだとこの映画を観て痛感しました。
ラストは革命で混乱状態のパリへ向かって女たちのミュージカルシーンで締められて、女性たちへの強いエールとなっています。
ポーレットの義理の姉を演じたヨランド・ベールは「神様メール」で女神様を演じた体格の良いお方。今回も愛嬌たっぷりの演技でした。
シスター役のノエミ・ルボフスキーは「カミーユ、恋はふたたび」などで監督主演をする才人。赤毛と聞いただけで警戒したり、量を抜け出した生徒に銃を向けたり、とってもアグレッシブな演技を見せてくれました。一番印象に残った感じですねえ。
この映画、生徒がタバコだかマリファナだかを吸うシーンがあるからなのか、PG12指定になったのは残念無念です。
2021/8/18 13:40(202185)
http://5gatsu-hanayome.com/

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