「キネマの神様」
2021年(松竹)125分映倫:G
監督:山田洋次 原作:原田マハ 脚本:山田洋次/朝原雄三プロデューサー:房俊介/阿部雅人 撮影:近森眞史 照明:土山正人 録音:長村翔太 美術:西村貴志 編集:石島一秀 音楽:岩代太郎 主題歌:RADWIMPS feat.菅田将暉 VFX監修:山崎貴
出演:
沢田研二(円山郷直=ゴウ)/菅田将暉(若き日のゴウ)/永野芽郁(若き日の淑子)/野田洋次郎若(き日のテラシン)/北川景子(桂園子)/寺島しのぶ(円山歩)/小林稔侍(寺林新太郎=テラシン)/
宮本信子(円山淑子)/リリー・フランキー(出水宏監督)/前田旺志郎(円山勇太)/志尊淳(水川)/松尾貴史(キャメラマン・森田)/広岡由里子(淑子の母)/北山雅康(借金取立人)/原田泰造(家族の会主催者)/片桐はいり(常連の女性客)/迫田孝也/近藤公園/ 豊原江理佳/ 渋谷天笑/渋川清彦/ 松野太紀/曽我廼家寛太郎/前田航基
上映館:イオンシネマ新潟西#9
採点:★★★☆☆
開巻の数10分はストーリー展開、役者の演技、セリフ、全てが気に入らず、もう映画館を出ようかと何度も思ったほど。ありきたりな演出、笑えないギャグ、山田洋次もさすがに衰えたか。
テレビや配信で観たなら確実に観るのを止めていましたがここは映画館。仕方なく目を閉じて耐えていました。
映画館で古い映画を観るシーンから内容は回想シーンに移って行きます。ここでもわざとらしい演技に鼻白みつつも、だんだん映画に引き込まれて行ったのはさすがに山田洋次。いかにも昭和の女優といった北川景子、食堂で働く永野芽郁、大監督のリリー・フランキーといった芸達者な俳優陣の演技に魅了されます。
しかし、せっかく映画監督の地位まで登りつめたゴウはたった一回の失敗で撮影所を辞めてしまいます。
これはいくらなんでも、って思いますが、世の中若気の至りでミスミス人生を棒に振ったひとはゴマンといるわけです。
そして現在のゴウはギャンブルと酒に溺れる人生の敗残者となっているわけですが、彼を理解してくれたのはやはり家族である孫でした。山田洋次はやはりなんだかんだ言っても家族を描く監督ではありました。
ラストはゴウが映画館で事切れるというものですが、ゴウはあのまま映画の中に入っていき、もう一度人生をやり直したのだと思います。
いろいろ問題の多い映画ですが、山田洋次流「シネマ・パラダイス」として印象的な作品ではありました。
この映画はもともと志村けんがキャスティングされていたものの、急死によって沢田研二が代役として起用されたのは難しかったことと思います。志村けんを彷彿とさせるシーンが時々見られ、追悼という意味もあったのかな、とも思います。なかなか嫌らしいジジイ
を好演していました。
2021/9/19 9:15(202191)
https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/

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