「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(DANCES WITH WOLVES)
1990年 アメリカ(東宝東和) 181分 映倫:PG12
監督:ケヴィン・コスナー 製作:ジム・ウィルソン/ケヴィン・コスナー 製作総指揮:ジェイク・エバーツ 原作:マイケル・ブレイク 脚本:マイケル・ブレイク 撮影:ディーン・セムラー 音楽:ジョン・バリー
出演:
ケヴィン・コスナー(ジョン・ダンバー/狼と踊る男)/メアリー・マクドネル(拳を握って立つ女)/グレアム・グリーン(蹴る鳥)/ロドニー・A・グラント(風になびく髪)/ロバート・パストレッリ(ティモンズ)/フロイド・レッド・クロウ・ウェスターマン(10頭の熊)/ウェス・ステューディ(ポニー族の戦士)/モーリー・チェイキン(ファンブロー少将)/マイケル・スピアーズ/ジミー・ハーマン/ラリー・ジョシュア
上映館:Tジョイ新潟万代SC8(午前十時の映画祭)
採点:★★☆☆☆
ケビン・コスナーが私財を投入して、監督・主演したネイティブアメリカン側から描いた西部劇。悪い白人の話なのに大ヒットしてアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞ダブル受賞となったのだから凄い。けれども、自分としては生ぬるい映画と映りました。
それは、4時間の映画と思っていたら、いきなりエンドロールが始まって拍子抜けしたのですが、あそこで終わりってあり?と思ったのは理由があります。
ネイティブアメリカン側から描いた西部劇としては、実は1970年にラルフ・ネルソン監督が撮った「ソルジャー・ブルー」と言う作品があるからです。キャンデイス・バーゲンとピーター・ストラウスの西部を旅する若者の牧歌的な映画は突然、騎兵隊によるシャイアン族の殺戮場面と化し、女子供にいたるまで一人残らす凌辱され、虐殺されて映画は終わります。その映画を私が観たのは中学生の頃だったと思います。
なので、この映画のラストでスー族のキャンプに迫った騎兵隊がダンバーがキャンプを去ったことを知ったとしても、スー族に攻撃を仕掛けたことは間違いないと思うのです。その辺を曖昧にして、「13年後にスー族は抵抗を止めた」みたいな字幕で終わっているのってずるいな、と思うのです。
そもそも、ダンバーが砦にやってくる動機も曖昧だし、砦が空っぽなのに残る選択をした理由も分からない。全体としてストーリーが都合良すぎます。この程度で作品賞と監督賞ダブル受賞ってハリウッドってところはとてもいい加減なところだと思うのです。

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