2020/7/18
□「セブンスヘブン」の看板娘
勤めを終えたティファは、アパートに戻る道をゆっく
り歩いていた。
「ティファちゃん、今日も可愛いね」あちこちから声
がかかる。「セブンスヘブン」の看板娘は「七番街ス
ラム」の人気ものだ。
そろそろ、バレットたちは「壱番魔晄炉」に潜入した
ころかな? クラウドはうまくやれてるかしら?
ティファは夜空をみあげた。ミッドガルの夜空に月の
光がまぶしいぐらいに輝いている..あの晩のニブル
ヘイムの月もこんなに明るかった、そうもう7年も前
の話だ。
□幼馴染
クラウドとティファは幼馴染だった。ニブルヘイムと
いう田舎町が彼らの故郷だった。
自分で言うのもなんだけど...ティファはちょっと
目立つ女の子だった。なにせ、美少女で頭も良いお嬢
様! ピアノと歌が好きだったティファは大きくなっ
たらニブルヘイムを出て、シンガーになりたいと思っ
ていた。大スターにだってなれる、と思っていた。
それに比べるとクラウドはパッとしない少年だった。
それでも一生懸命にティファの気をひこうと斬新な
ツンツン頭をしていたっけ(今も変わらないけど)。
□ニブルへイムの惨劇
だからクラウドが村の給水塔にティファを呼び出した
ときはびっくりした。
「俺、ソルジャーになりたいんだ。セフィロスみたい
な最高のソルジャーに。」
月が輝く夜だった。そしてクラウドは真剣だった。
翌朝、彼は村を出て「神羅カンパニー」の本部がある
大都市、ミッドガルに旅立っていった。
5年前、惨劇が起こった。
村は焼き払われ、多くの人々が無残に死んでいった。
ティファの両親も...殺された。
□「アバランチ」
反神羅組織「アバランチ」に加わった。アバラ
ンチのリーダー、バレットはヒゲづらの巨漢だ
ったが、娘のマリンを溺愛する優しい父親でも
あった。
ティファの「神羅カンパニー」や「魔晄炉」を憎む
強い意志を知ると仲間に迎えてくれた。
ある日、七番街のスラムで、彼女はツンツン頭の、
何にも「興味ないね」という顔の青年を見かけた。
5年ぶりに会うクラウドだった。
(「二人の物語」は続く)
※「おとゲー」2020/7/12号掲載

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