※「三十三間堂」での死闘を終えた桐生。「龍が如く 見参!」今回は桐生
の「祇園案内」からスタート。
□桐生の「祇園案内」
「三十三間堂」での戦いを終えた桐生に平穏な日々が戻ってきた。何ヶ月も
吉岡道場で修業に明け暮れいたので、祇園の喧騒がなんとも懐かしい。
夕暮れの祇園大路をブラブラ歩く。「ありがた屋」で「団子」を買い、ほお
ばる。祇園稲荷で賽銭を投げ、遥の無事を祈る。商売繁盛を祈る人が多いよ
うだ。縁台をもちだして将棋を楽しんでいるやつもいる。
小腹が空いてきた。「中之蔵」でいっぱいひっかけるか、「吟屋」で寿司を
つまもうか...そのとき「水天稲荷で人が倒れてる」との知らせが。水天
小路の石段を駆け下る。薬を用意して事なきを得たときは夜も遅い時間にな
っていた。「鰻の蒲焼」でもがっつりくうか。桐生は亀町の小料理屋へ足を
むけた。
□唐辛子売りの少女
祇園は「人工的な歓楽街」だが、その南には庶民の町、「洛外町」がひろが
っている。「白蛇うどん」で「きしめん」をすすった後、物売りの声がかし
ましい四条通りを歩く。大社前で真っ赤な衣装をきた唐辛子売りの少女がい
た。いつもより元気がない。
「どうしたんだ?」聞けば、少女の父親が腰を痛めてふせっているという。
少女の家までいくと父親はかなりつらそうだ。桐生は祇園の知り合いに頼ん
で特製の「唐辛子湿布」を作ってもらった。
しばらく後、元気な親子の唐辛子売りの声が四条どおりにひびいていた。
□「くノ一(くのいち)」の物語
情報屋の本阿弥光悦を訪ねた帰り道、月明かりの河原町を歩いていると、黒
装束の男たちが一人の女を取り囲んでいる。長い黒髪の美女だ。当然ここは
助けに入る。紅葉と名乗った女は「一人でいるのが怖い」と言う。当然ここ
は家まで送る。しなだれかかる紅葉を少々惜しいと思いつつもふるきる桐生
だった。
その後も桐生は紅葉を気にかけ何くれと面倒をみてやった。が、彼女は失踪
してしまった。彼女を探し河原町を訪れた桐生を再び黒装束の忍者たちが襲
いかかる。何とそのうちの一人は紅葉だった!彼女は桐生を狙う「くノ一
(くのいち)」なのだった。忍者たちを蹴散らした桐生はなおも優しかった。
「過去を捨てて祇園で生きろ」桐生は泣き崩れる紅葉に語りかけるのだった。
□「遊女」と「お座敷遊び」
「祇園の暴れ馬」の異名を取る遊び人の桐生。まとまった金が入るとすかさ
ず揚屋に繰り出す。なかでも「祇園でもっとも艶やか」と言われる夢路屋の
桃千香に入れ込んでいた。
遊女たちの馴染みになるには「お座敷遊び」に精通しないといけない。とこ
ろがこの桃千香、滅法お座敷遊びが上手。「金比羅船々」も「徳利倒し」も
メチャうまい。夢路屋に通い、散財すること十数度...ようやく桃千香が
お手つき。
「桐生はんは今までで、最高の男どす」
苦労の甲斐があった。桐生は思わずニンマリしてしまうのだった。
(「祇園の龍」の物語は続く)
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「龍が如く 見参!」の「神室町から祇園へ」
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