第三章 ゲドと第12小隊
第12小隊
クイーンがゲドのひきいるハルモニアの国境警備第12小隊に加わって
もう何年たつだろう。
傭兵稼業は金が全てだが、信頼できる仲間とすごすのは悪くない。
酒飲みのジョーカー(クイーンも酒量では負けてないが)、
女好きのエース、
無口な若者ジャック...
にぎやかなチームがクイーンは気に入っている。
リーダーのゲドは無口で何を考えているのかよくわからないけど、
腕はたつし見通しも確かでクイーンも他のメンバーもとても頼りにしていた。
今回の仕事は「炎の英雄」とともに活躍した「炎の運び手」の残党をさが
せという雲をつかむような任務。手がかりを求めてクイーンたちはリザー
ドクラン本拠地「大空洞」へ向かった。
大空洞の異変
ゲドはリザードクランの族長ゼポンとも知り合いのようで奥で話し込んでいる。
いまさらのように不思議な男だ、とクイーンは思った。
気がつくと外が騒がしい。
大空洞の外にゼクセンの騎士団が攻めてきているではないか!
先頭にいるのは「白き乙女」のクリスってやつだ。
ひとしきり戦うと騎士団はなぜかとどめをさすこともなくひきあげていった。
だが...「族長が殺されている!」
何者かが隙をついて侵入し族長のゼポンを暗殺したようだ。
ゲドたちは騒然とする大空洞を後に次のてがかりを求めてカ
ラヤクランに向かうのだった。
謎の女
カラヤの村についたゲドはジンバというカラヤの戦士の家にあがりこみ話
をきいていた。
「本当に顔が広いねぇ」
ゲドとのつきあいは長いのに驚くことだらけだ。
ジョーカーたちは
「この村を死の影が覆う」
と不気味な警告をした青い服の女を追いかけていったが見失ったらしい。
夜、野営地のテントでクイーンは突然の叫び声にハッとした。
カラヤの方で火の手があがっている。
襲撃されている?ゼクセンの騎士団が襲撃してきたのだ!
カレリアへ
カラヤの村は惨憺たる有様だった。
一人呆然としていたカラヤの少女(アイラと名乗った)
を仲間へ加え、ゲドたちはいったん本拠地のあるハルモニアと
の国境の町、カレリアに戻ることにした。
久々のカレリアにクイーンもちょっと心がなごんだ。
初めて飲むソーダにはしゃぐアイラをみながら
クイーンはこの先どうなることやら、と思っていた。
(続く)

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