第五章 ハルモニア軍襲来
パーシヴァルの故郷
「オレの故郷で収穫祭があるんですよ。」
パーシヴァルが声をかけてきた。
カラヤクランでの戦闘以来気が滅入っていたクリスは
気分転換にいってみることにした。
パーシヴァルの故郷、イクセの村は素朴な田園風景が良い感じだった。
村はずれの風車小屋でナッシュとなのるちょっとキザな男が
なれなれしく声をかけてきた。なんなのこのナンパ男は!
そのとき村で火の手があがった。
グラスランドの軍勢が攻めてきたのだ。
クリスとパーシヴァルそしてなぜかナッシュも必死で戦った。
数時間後、グラスランドの兵士たちはひきあげたとき村は焼け野原だった。
謎の男、ナッシュの姿はなかった。
チシャクランへ
「なんで私は...」
そう思いながらクリスはナッシュといっしょにチシャクランへ向かっていた。
副官のサロメが疲労困憊のクリスをみかねて休暇をとるようにすすめてくれた
と思ったら、なぜかこの男が現れて
クリスの父親の行方を知っているようなこといった...
偶然にしては...まあ、いいか。騎士団長の仕事はサロメがいれば安心だし、
たまには普通の若い女になってみるのも悪くはない。
鎧を脱いでいつもはアップにしている髪の毛も長くたらしているから普通の女の子
にみえるかしら。
夜風にふかれながらクリスはそんなふうに思っていた。
その先に待ち受けている運命などそのときは知る由もなかったから...
ハルモニア軍襲来
チシャクランではユンとユミィという二人の少女が出迎えてくれた。
ユンは未来を予知できる巫女でクリスが来る事もわかっていたという。
クリスは不思議な気分だった。
村の入り口が騒がしい。
みると巨大な甲虫にまたがった兵士が飛来している。
ハルモニアの虫兵だった。チシャクランは大騒ぎになった。
気がつくとクリスは虫兵たちと戦って撃退していた。
昨日まで敵だったはずのグラスランドの村を皮肉にも護ってしまった...
なぜ私は...
考える間もなくハルモニアの再度の攻撃が始まった。
またもクリスは戦っていた。
ジリジリと押され始めたとき、
ダッククランから救援がきてハルモニア軍は撤退していった。
救援部隊には以前にあったカラヤクランの少年、ヒューゴもいた。
ヒューゴは瞳にはクリスに対する激しい憎悪があった。
(続く)

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