中間管理職のサラリーマンの心情を描いた5話。
「マドンナ」・・・新しく部下になった女の子に恋心を抱く
「ダンス」・・・息子の進路に気を揉む
「総務は女房」・・・バリバリの営業マンが総務勤務で感じた苛立ち
「ボス」・・・新しく来た「できる」女性上司のやりかたに反発する
「パティオ」・・・開発を進めているビルで読書をする老人に父親を重ね合わせる
短編とはいえ、心理描写も上手く、起承転結もはっきりしているので読み応えがありました。
暗くなりがちなテーマを、明るいタッチで書かれているのも好みです。
内容は、あまりにリアルで怖いくらい。会社務めしていた頃を思い出してしまいます。
中年男性なら尚更でしょう。全てが現実的。体験していなくても、明日は我が身なお話ばかり。
「困ったおじさんだなあ。」というのが、マドンナを読んでる時の印象。
でも、実際迫ってくるのですよね。上司って。(笑)
どのお話でも、融通のきかない、偉そうなくせに度胸のない、そんなちょっと情けない男性たちに対して、シビアに接する現実主義な女性たちが描かれています。
この本は、
蒼幻の雫の源助さんにおすすめしていただきました。
サラリーマンの妻があまり「良い人」に描かれていない、ということでしたが、いや、現実だってこんなもんでしょ。むしろまだマシというか。(笑)

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