家政婦をしている「私」の新しい派遣先は、記憶が80分しか持たない男性の家だった。彼の数学にたいする知識の深さは並大抵のものではない。「私」は彼に「博士」というあだ名をつけた。
第1回本屋大賞 第55回読売文学賞小説賞
冒頭から、やさしく美しい文章に惹かれ、あっという間に物語の世界に入り込んでしまいます。博士の語る数式はまるで美しい絵画のようです。主人公にすっかり感情移入してしまい、主人公と同じようにうっとりと数式を眺め、また博士に対する尊敬と慈しみの思いを抱きました。博士はなんて純粋で素敵な人なんでしょう。博士の純粋な言葉や行動に、涙が止まりませんでした。評判通りの珠玉の1冊。2005・2読了

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