さて。御無沙汰過ぎて。
今はもうすっかり春、桜さえ殆ど散ってしまったけれど、まだ雪の残る、冬の終りあたりまで遡って追憶せねばならない。妖精ちゃんであるところの、MEKTちゃん達が、内山ユニコ画伯の展覧会の催しとしてリサイタルをしたのである。内山ユニコさんは、冬の終りあたりの追憶どころではなく、前聖飢魔Aまで遡らないとならないほどに、もっと酔うほどに(氷雨)、旧知である。とてつもなくキラキラした夜を一緒に過ごした方であり、その想い出を上回るような、甘美な夢のような、また時には麗しく残酷な絵を描くイラストレーターである。そんな素敵な世界ゆえ、オレの語彙では説明し切れない。とにかく絵を御覧になっていただきたい。俺ァ、あの絵の中に入りたいね。拒否されなければ、だけど。それで!MEKTちゃん達と!内山ユニコ画伯が!コラボして!ユニコさんが作った被りモノを!MEKTちゃん達!がっ!被って!…いちいち吃驚するの、疲れたので、落ち着きます。…被って、演奏したのですよ。ユニコさんは、MEKTちゃん達をイメェジした姿も描いてくだすっていたのだけれど。おれみたいな、足拭きマットの裏に、ひっついているゾウリムシがこういう事を言ってはアレだけど、兎に角、うらやましいっ!ヒィィッ!外はしんしんと雪が降り、MEKTちゃん達の特徴である、音が鳴っているのに静寂が支配するような感覚で、白熱灯の灯りの中に被りモノした妖精がボンヤリと佇み、Pーターアッコちゃんの娘ちゃんが畏敬の眼差しでそれを見つめつつ踊り、Lモンちゃんがそれを微笑ましく見つめ、かつてはその娘ちゃんのように小さくて、GS聴いて揺れていたユニコさんの娘ちゃんがオレより大きくなって…というか、オレが寸足らずなだけか、兎に角、みんながそうやって幻燈機みたいな光景を眺めていたのである。あの時からあんなに時が流れたけれど、さも当たり前のようにそうなっていて、あの時の夜に抱いた眩い気持ちは、なんらまちがっていなかったことを再確認できた。ちなみにPAちゃんの娘ちゃんは、後程「妖精さん達、ちゃんと寝たかなぁ」って言ってたらしいよ!どうする?!リサイタル終り、みんなで喋った。他愛も無い事を。今も、瞼の裏には、あの幻燈のような光景がヘヴァりついている。おわり!


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