前線が日本列島を通過し涼しい風が吹く日本海を漕いで、萩沖に浮かぶ見島へ行ってきました。
本土から直線距離で41km。なかなか漕ぎ応えのある海峡横断です。
メンバーは去年、周防灘・姫島横断にも挑戦した油谷アウトドアクラブの面々。
カヤック部長のTさんにとって見島行きは7年越しの夢だったそうで一人シングル艇での挑戦。この日に向けて毎日150回の腹筋を繰り返し、7キロも減量されたそうです。
出艇は長門市油谷の大浜海岸から。ゆっくりと準備をして7時半に出発!
天候はこの夏一番の快晴と微風。昨日の風の名残のうねりの中を北上します。
出発して10km地点くらいから少しづつ東へ向かう流れが強くなります。
対馬海流の分流か、はたまた潮流か?何本かの大きな潮目も通過。
早いところでは2ノット以上流れていたのではないでしょうか。
出発地点からは見島は確認できませんでしたが2時間も漕ぐと霞む島影を発見。
本土から遠く離れ大海の真ん中を漕ぐのは爽快です。
1時間に5分程度の休憩を取りながらのパドリングでした。
7時間後の午後2時半、海流に翻弄されながらもなんとか見島の漁港に到着!みんな疲れてはいましたが元気元気!
Y親方の差し入れのシャンパンを豪快に飲み干しました。
見島は人口1200人の離島。橋が本土に架かっていない島の中では山口県一人口の多い島だそうです。お正月の巨大な凧揚げ「おにようず」や去年松方弘樹が350KGのクロマグロを揚げて優勝したトーナメント、日本固有種の高級牛「見島牛」など島の特色もいろいろとあります。といっても普段の島の様子は他の離島と変わりなくひっそりと静かな印象です。
赤崎旅館という島の中ではモダンなホテル風の宿を取り、ビールで乾杯して各自それぞれに行動。僕は一人島内を散歩。なんとランニングを始める若いメンバー。
以外に平らな土地も多く稲穂を垂れた水田も多くありました。「ジーコンポ古墳群」という奈良・平安時代の防人の墓とされる古墳跡も残されています。今は自衛隊のレーダー基地も配備され、昔も今も日本海の要衝として重要な位置にあるようです。
見島牛は山を切り開いた丘陵地にのんびりと暮らしていました。
こんなにゆっくりと歩いて散策したのは久しぶりでした。高台から見る日本海の眺めは絶景です。
宿に戻って再び宴会モード。食事を見てびっくり!刺身盛りからサザエのつぼ焼き、イサキの煮付け、鯛の吸い物、うに飯と食べきれないほどの海の幸がずら〜っと!
7350円というリーズナブルな料金ながらこの豪華さ。さすがに島の宿です。
みんな豪快に食べ、そして飲んでコロッと布団にもぐりこみました。
翌日は5時起床。帰りはフェリーで帰るという手もありますが、そこは油谷アウトドアクラブの一味違うところ。復路もカヤックで漕いで帰る計画です。
風は昨日よりも落ち北西3m。漕がない理由はない海況です。
7時出発。昨日ほどの流れは感じないもののまだ東への流れが強い。対馬海流は見島の北を流れているといいますがやはり分流が流れ込んで、この時期特有の強い潮流と合わさり強い流れを生んでいるのでしょう。やはり海は面白い。
大きく西にバウを向け、なるべく直線で帰還できるようにフェリーグライドしながらホ本土を目指しました。
シングル艇のTさんも快調に漕ぎ進みます。
7時間後の午後2時に再び大浜海岸に帰着。Y親方が駆けつけてくれて今度はノンアルコールビールで乾杯しました。
この夏一番のチャレンジ、油谷アウトドアクラブの冒険心に感謝です。
おそらく見島へカヤックで渡ったのは2隊目。シングル艇で往復したのはTさんが初ではないでしょうか。パチパチパチ!
コースタルカヤッキングが日常の毎日。リスクは高くなりますが海況横断はより海の楽しさ、そしてカヤックの楽しさ、自分の可能性を実感できるカヤッキングでした。
さて、来年は対馬チャレンジ!?かな。


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