尾道向島に日本最後の櫓職人となった瀬尾豊明さんを訪ねました。船には推進具は必須のもの。和船には櫂や櫓、帆など様々な推進具が利用されますが、小さな力で大きな推進力を生む「櫓」の製作は高い技術が必要とされます。
かつては日本各地に櫓職人さんが存在していましたが、木造和船の衰退と船外機などの台頭により船大工さんと同じく一気にその姿は減少の途をたどりました。
瀬尾さんは御年77歳。材料がある限りは続けると言われております。何本つくったかはもう忘れたと言われていますが、おそらく話を聞けば5000本近くの櫓を製作していると思われます。
癖の強く硬いイチイガシをまっすぐに削り出すその技術は無駄がなく美しいものです。
櫓にもこれまで蓄積された確かな理論があり、理解できたことは大きな収穫でした。船以上に乗り手の手足となる櫓は人それぞれのこだわりがあるはずです。それに長年応えてきた瀬尾さんの技術は本当に貴重なものだと感じました。
詳しいレポートはまた会報誌にて!


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