薬害肝炎訴訟で福田首相が一律救済と言う政治判断を下した。自民党幹部に議員立法を策定して今国会で通すよう指示した。私は訴訟に関する政治判断は軽々にするべきではないと述べたが、それは行政当局に対していったもので、議員立法という手があることを忘れていた。三権分立と言うものの立法、司法、行政とあるとおり立法は司法の上位にある。従って国民の代表である国会議員の過半数の賛成を得て法案化すれば司法の判断を超えられる。成る程上手い手があったものであり、これなら原告団の意向に沿う。
小泉元首相もハンセン氏病訴訟で異例の政治判断をしたが、この時は議員立法は無かった。時の官房長官が福田氏だったから因果は巡るである。
福田内閣の支持率は急速に落ちている。その原因の大半が年金問題での不用意な発言、薬害肝炎での優柔不断、独法改革での消極的態度にあるといわれているから、側近の忠告を受けて決断したものと思う。厚生労働省は責任を回避する為と今後の類似事件に対する危惧から下手に一律救済すると賠償金額は今後の訴訟を含めて約2兆円にも達すると脅していたらしい。役所が絡む以上行政判断には限界がある。これは政治判断というより内閣支持率を気にした政治的判断である。一律救済の議員立法なら野党の賛同も得られると思う。何れにしろ日々亡くなる人がいるのだから速いほうがいい。時限立法で特別措置法にするなら、C型で無くてもA型でもB型でも疑わしきは罰する姿勢で臨み、深く問わないほうが良いかも知れない。国民も血税からの弁償を了解するだろう。
その代わり厚生労働省の関係官僚や天下ったミドリ十字の役員達にも損害賠償を請求して痛みを分かち合うべきである。省益と天下り先擁護と言う間違った判断で被害者に途端の苦しみを舐めさせ、国民にも無用な負担を強いる事になった責任を問うのは当然である。不埒官僚を懲りさせるには賠償金を取るのが一番である。

0