野田首相と小沢一郎氏の会談が30日に行われる予定である。首相は記者会見で「この会談は乾坤一擲だ、一期一会の積りで会う」と述べたが、小沢氏を説得出来なくても二度目の会談はないことを意味するから訣別を示唆したものである。双方共に一歩も引く構えが無いから輿石幹事長も調整出来ないだろう。
首相の選択肢は限られる。小沢氏を切って自民党に擦り寄り、法案を通す見返りに話し合い解散に応じる事が一つである。もう一つは会期を大幅に延長して消費税法案を先送りする事で小沢派の造反を回避する事である。9月の代表選挙まで持たせれば民主党は新たな道が開けるかも知れない。最後の手段が内閣総辞職か破れかぶれ解散である。今衆院選に突入すれば民主党は惨敗して元の自公政権か、維新の会や石原新党など第三極に移ることになる。
私は野田首相は嫌いではない。真面目で重厚で清貧で安定感がある。鳩菅と比べて雲泥の差がある。諸費税アップは何れ誰かが決断しなければならない。竹下元首相のように歴史が評価するだろう。問題はその前に身を切るべきだと言う国民の要請に応える実行力が無いことである。議員定数や歳費の削減でさえ野党の反対で決まらない。公約どおり80削減を強行採決するべきである。公務員給与の削減も二年限定だし、年金の一元化も国の出先機関の地方自治体への移管も一向に進まない。要するに民主的過ぎて突破力が無い。小沢氏のような豪腕が無い。橋下氏や石原氏のような独裁力がリーダーには時として必要である。
次期政権のキーパーソンは橋下、石原、平沼、小沢、安倍の5人だと観ている。橋下氏が衆院選に出れば、石原、渡辺或いは小沢氏と連携して天下を取ると思う。石原新党が平沼氏を担ぐのか橋下氏を担ぐのか自ら名乗り出るかで随分変わってくる。自民党は安倍元首相の再登板以外に政権を取り戻す手段は無いと思う。

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