地動説を最初に唱えたのはコペルニクスだと思い込んでいたが、実はイオニアのアリスタルコスだった。それもコペルニクスに先駆けること1800年も前である。紀元前5世紀の事である。
人間の目から見ると毎朝太陽が東から昇って西に沈む。当然太陽が地球の周りを回っているのだという天動説が常識になる。キリスト教会も地球こそすべての中心だと唱えていたから地動説などとんでもない事になる。コペルニクスは捕らえられて裁判にかけられたが、それでも地球は動くと呟いたという。これをコペルニクス的転換と言うのも習った。
欧州文明の始まりはギリシャ・ローマだと思われているが実はメソポタミア、イオニアが先である。エジプト文明も凄いがピラミッドに代表されるように石の文化だった。真の科学者はイオニアに生まれた。イオニアは今のギリシャであるが地中海の島々だった。アテネのような都市国家になると支配者が何かと煩いから科学は発達しない。ソクラテス以前のイオニアの人達は自由な科学者だった。世界は原子と空間からなると喝破したデモクリトスも偉大なイオニア人だった。彼はアトムの名付け親である。
アテネでもソクラテス、プラトン、アルキメデス、アリストテレスなどの偉大な哲学者や科学者が出たがイオニア人が先輩である。
アテネに続いてローマが強力な都市国家となり長い間ローマ帝国時代を築いた。グレコ・ローマン文明こそ今日の欧州文明の礎ではあるが、そのもとは小さなイオニア文明であった。
何事も規模が大きくなり過ぎると弊害がある。全てに於いてほどほどが良い。

4