ロシアの天然資源監督局がサハリンエナジーを環境保護策の不備で提訴していたが、一転してロシア資源省が工事認可の取り消しを通告してきた。裁判をやっても長引く恐れがあるので手っ取り早く工事中止命令を出して、譲歩を引き出す作戦だろう。自国のガスフロムを資本参加させるための強攻策である。泣く子と地頭には勝てないから結局、シェルが20%、物産、商事が5%くらい権益を譲って決着すると思う。日本政府も強く抗議したが、ロシアには環境保護という大義名分があるから一歩も引きそうも無い。アメリカ政府の報道官も国際公約に違反する恐れがあると懸念を表明した。前にも欧州への天然ガス輸出を突然止めて、輸入国を戸惑わせたので、サンクトペテルブルグでのサミットでエネルギー政策の透明化を約束させられたばかりである。外資におんぶに抱っこで開発投資をさせておいて、有望だと判ってから無理やり割り込むのは、後出しじゃんけんみたいなもので国際信義に反する。今後ロシアへの投資に急ブレーキがかかるだろうから自分の首を絞めるようなものである。国際取引の常識も弁えない後進国がG8としてサミットの一角を占める資格は無い。早急に元のG7に戻すべきである。
ロシア政府は、アメリカと合意した中距離核ミサイルの廃棄条約から一方的に撤退する意向を示唆した。背景にはアメリカもイランや北朝鮮の核ミサイルに備えて中距離核弾頭の欧州、アジアでの配備を検討している事への対抗策と言うことはある。然しそれよりロシアで復活しつつある軍産複合体の圧力が大きいと思う。ロシアの主たる産業は石油、ガス、貴金属、木材、魚貝類などの一次産業であり。二次産業で売れるものは兵器だけである。今迄もならず者国家に核技術や、戦闘機やミサイルを売って死の商人を演じてきた。
イランや北朝鮮に対する制裁に反対するのも、兵器のお得意さんだからである。
こんな国が安保理常任理事国である限り、国連は機能しないし、世界平和も来ない。
タカ派の安部さんは日本の常任理事国入りを目指して、国連改革にイニシャチブお取ってもらいたい。場合によっては分担金を拒否したり、脱退をちらつかせるくらい強硬にやれば、世界は慌てふためいて、日本を常任理事国に推すだろう。

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