アル、カーイダのナンバー2 ザワヒリ容疑者が久し振りにビデオ声明を出した。ローマ法王をペテン師呼ばわりして、キリスト教をこき下ろし、返す刀でブッシュ大統領を失敗者で嘘つきだと罵り、イラクとアフガンでの敗北について真実を語れと呼びかけた。併せてアル、カーイダは一層強力になって殉教をを続けると組織力を誇示した。
ナンバーワンのビンラデインが登場しなくなって久しいが、重病説や死亡説が流れている。糖尿病や腎臓病を患っていると言われているが、過酷な逃亡生活には耐えられないだろうから、私は既に死んでいると思う。自己顕示欲の強いビンラデインが生きていれば、ビデオに出ない筈が無いと思う。それにしてもアル、カーイダの生命力には恐れ入る。実際アル、カーイダが依然として健在である事は、イラクの武装勢力が一向に衰えない事と、タリバンが勢力を盛り返している事が如実に物語っている。一時タリバンは数百人まで減って絶滅寸前と言われていたが、今や4桁近くに盛り返し、自爆テロ志願者も百人を越すと言われている。大半が無知で貧しいパキスタン人とアフガニスタン人である。
アル、カーイダの生命力の秘密は麻薬密売による豊富な資金力にある。アフガンやパキスタンの高地はケシの栽培に適しているから貧しい農民を督励して栽培量を増やしている。
ケシの実から抽出したコカインが麻薬に精製されて先進国に流れ、多数の中毒患者と廃人を産み出している。こちらの方がテロの被害者よりもっと悲惨かも知れない。この豊富な資金で無職の若者を兵士として雇えば幾らでも集まる。同時にパキスタンに神学学校を増やして、無知な青少年を洗脳し、聖戦を煽るから自爆テロ志願者に事欠かない。実に恐るべき仕組みが出来上がっている。国連軍もタリバン兵を追討するだけでなく、ケシ栽培を止めさせるべく、ケシ畑の焼却に乗り出した方が手っ取り早いかも知れない。
タリバンの拠点はアフガンとパキスタンの国境地帯の高地にあって、両政府共に支配が及ばない。両国首脳は相互に責任を転嫁し合って非難するだけである。貧しい住民もタリバンに味方する者が多いから、掃討は容易でない。やはりテロの根源は貧しさにある。

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