安倍首相はアフリカ開発会議(TICAD)に出席のためナイロビに飛ぶ。TICADは日本主導で創設された国際会議で5年に一度日本で開催されてきた。今回初めてアフリカ現地で開かれる。
TICADは元々アフリカの開発や支援について話し合う会議であるが、最近は中国のアフリカ進出が加速して日本の存在感は薄れていた。日アフリカ官民経済フォーラムを設立して官民で中国に対抗するのが狙いである。
中国の支援は資源開発がメインで中国人を送り込んで行い、さらに資源を中国に輸出するから収奪の感がある。これに対して日本はインフラ整備や人材育成、保健事業などを通じて質の高い、強靭な、安定したアフリカを目指すという。中国の支援と差別化して存在感を高める意図が見える。
安倍首相の大きな目標は憲法改正と共に国連安保理の常任理事国になることである。それにはアフリカ諸国の支持が欠かせない。日本の常任理事国入りに猛反対する中国に遠慮してアフリカ諸国は冷たい。良質な支援で長い目で信頼を得るしか方法がない。
アフリカは最後の大市場である。日本の経済界も虎視眈々と狙っている。今回も50人以上の財界人が安倍首相に同行した。

5