フィリッピン政府が外国人患者を対象に腎臓売買を公認する方針を固めた。新制度の骨子は外国人患者に腎臓提供者の生活支援費を払わせ、別のフィリッピン人患者一人分の腎臓移植費をも払わせる事であり、中々国益に適っていると思う。従来フィリッピンでは闇で腎臓が売買されていたのは公然の秘密であり、ドナーは仲介業者に搾取されていた。それが一掃されるだけでもより人道的だといえる。費用は約600万円と予想されているから日本人患者にとっては大変な朗報である。ただし現在日本の移植待機者が一万人を越すというから、若し日本人がフィリッピンに殺到すれば、国際的な批判が巻き起こるだろう。
只でさえ臓器移植の実態は先進国による途上国住民の搾取という面があるから、心配である。フィリッピン保健省では外人向けは移植総件数の10%と上限を設けているが、実際はザル法となっているらしい。外人の移植費の方が遥かに高いから、闇取引が蔓延り組織犯罪となっている。
日本の臓器移植法の改正は遅々として進まず、患者の不満は高まっている。早くより柔軟な制度にしないと、日本人は金で臓器を買い漁る民族だと言われかねない。

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