私はガンが消えて元気溌剌になったが女房のボケは酷くなる一方である。部屋が隣なので毎日10回は観に行くが其のたびにぞっとする。やることなすこと碌なことをしていない。普通の認知症と違って女房の脳は正常である。パーキンソン病の薬の副作用だから可哀想である。
パーキンソン病は筋肉が衰える病気でドーパミンを投与するしか方法がないがドーパミンで体は動くが心は副作用で動かなくなる。薬の量を調整することで加減するが一生治らない。
女房のアホ面を観ていると泣けて来る。私の叔父が理学、工学、医学、歯学4つの博士号を持ち紫綬褒章を受けた有名な学者で長く日大歯学部の教授だった。女房はその秘書を長年続け全国の歯科医から可愛がられて今でも年賀状が数十通届く。女房の仕事ぶりは完璧だった。家事も育児も完璧だった。女房の干した洗濯物はアイロンが要らなかった。
そんな女房が今ではシャツとズボンの区別がつかない。重要なものを失くすが自分が失くしたとは言わない。誰かが持って行った平気で嘘を言う。自分がボケたとは思っていないので強気である。夫婦間のボケは早いもの勝ちである。
私は早くからボケ防止に取り組んできた。毎日勉強とブログで頭を使ってきた。お陰で損をすることになった。良し悪しである。

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