「Wat Phrathat Doi Suthep」
タイ
チェンマイに来たら絶対お約束で行く所、それは
Wat Phrathat Doi Suthep。
このエリアで一番大きいお寺だ。
旧市街からは乗り合いトラック、ソンテウで行く事ができる(片道50バーツ)。
私が乗ると、既に1人おじさんが乗っていた。
話をするとシンガポール人だった。
初めて見るアジア人の旅行者。
ほっとするものがある。
おじさんはタイ人の奥さんを持つ仏教徒で、チェンマイに来たら必ずここへお参りへ行くらしい。
色々おしゃべりをするのは楽しいが、気づくと1時間経っていた。
そして、まだ私の後に誰もソンテウに乗ってこない。
別に私も、今日の予定はこれ以外ないし、おじさんもお参りに行くだけなので、時間はある。
が、おじさんがタイ語で、今出発できるか交渉し始めた。
ソンテウのドライバーは、450バーツ払うなら、今すぐ出発してくれるという。
おじさんが、それでいいと、手を打ったようだ。
「君は本来の50バーツを払えばいいよ。後は僕が払うから。」
そう、コーラを渡してくれながらおじさんは言った。
バスはグニャグニャの道を行き、途中仏様が祭られている祠を通過する時は、クラクションで教えてくれる。
それに合わせて手を合わせる。
入り口。306段上るとやっと到着
熱心な仏教徒のおじさんと祈りを共にするのはなんだか悪いので、お寺では別行動。
青空に金と赤が映える。
まずは小さい仏像ひとつひとつに手を合わせてゆく。
信者達は、蓮のつぼみとお線香を手にして、仏様へ祈りを捧げる。
そして最後の本殿で、わたしはなんだか落ち着くので、ずっと座っていた。
仏様に祈りを捧げたあと、チェンマイに対してがっくりきていることを打ち明けてみる。
タイらしさを感じようとしない、浪費ばかりする白人観光客、
そんな観光客に慣れて、観光客をお金としてしかみないタイ人・・・
そんな図式が出来上がってしまっているように見える。
タイって、そんな国だと思いたくない。
私はタイを身に染みて帰りたいのに、観光客だから、嫌でも外人サイドに入れられてしまう。
そのバリアはくずせるものなのか・・・
タイをがっつり感じたいと思っている観光客は果たしているのだろうか・・・
カンボジアもそうだったから、(またそうか・・)と、挫折感は大きくなってきていた。
ドリアンに似た、ジャックフルーツの木。
出口でおじさんにまた会ったので、お寺の周りを案内してくれる。
それからまたソンテウに乗って、おじさんはこれから娘と食事とのことで、先に降りて行ってしまった。
「君のぶんも払っておいたよ! じゃぁね!」
「えぇっ!?」
人に施すことが功徳。
そう言っていたおじさん。
もらってばっかりじゃまずいなぁ。

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