NHKBSで、みんなの投稿で旅先が決まり、火野正平が自転車でそこへ行く番組があり、夫がよく見ていて、私も見るようになった。
上士幌も、ナイタイ牧場とタウシュベツ橋がでて、喜んでみていた。
息子がそんな私たちに、「見るだけでなく、投稿してみたら?」と、言う。
私も、北海道と言うので、出すにはいたらなかったが考えていた。
私の心の風景は、このブログの最後にしようと思っていた場所だ。
が、去年の折笠先生の年賀状で、書きたいと思うようになっていた。
先生の年賀状には、「山の彼方の空遠く 幸い住むと人の言う
ああ我 人と尋め行きて
涙さしぐみ 帰りきぬ
山の彼方のなお遠く 幸い住むと人の言う」
(ヘルマンヘッセ)八十年の感懐
と、書かれていた。
私は、この詩をズーッと前に先生から聴いていた。
年賀状を読んでとても懐かしかった。
上士幌を発つ前日(S33.4.19)に、折笠先生と木村先生が、望遠鏡を持って神社の境内のスキー場側へ妹と連れて行ってくださった。
そして、その望遠鏡でナイタイの山並みを見せてくださり、草むらに座って、この詩を教えてくださったのだ。
何度かその詩は聴くことになるが先生が口ずさんだその時、1度で覚えた。
私たちを神社の境内に連れて行ってくださったのは、引越しの準備で邪魔なので子守役だったのかもしれない。
でも、折笠先生はその時、ふるさとの「阿武隈山脈の山嶺」を見ていたのかもしれない。
上士幌を去る前日ということもあって、私は私なりにセンチになっていたのかもしれない。
あの風景は、この詩とともに、忘れられない心の風景だ。

Photo Yamanaka

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