僕も見逃していたのだが、こんな事があったのだ。
2月19日の衆院予算委員会で民主党議員が西川氏の献金問題を取り上げた際、安倍首相が「日教組(日本教職員組合)はやっているよ。日教組どうするの」と閣僚席からヤジを飛ばした。
首相は20日の同委でも「日教組は(国から)補助金をもらい、(日教組関連団体の日本)教育会館から献金をもらっている民主党議員がいる」と主張。だが、日教組が国から補助金を受けた事実はなく、民主党議員が日本教育会館から献金を受けたこともなかった。
首相は23日、同委で「私の記憶違い」「遺憾で、訂正する」と発言を撤回、陳謝した。ただ同日も民主党議員の名を挙げ「日教組からダイレクトに献金をもらっていた」などと批判を続けた。
この人はアホである。日本という国はアホに国を任せている。そんな日本はアホである。ということは僕もアホだ。あなたも、あなたも、あなたも、あなたも、あなたも、あなたも・・・・・
『毎日新聞』にこの事件へのコメントが載った。※全文ではありません
◇国会に「ネトウヨ」的言論−−安田浩一さん(ジャーナリスト)
安倍首相が「日教組、日教組!」と連呼するのを見て、「ネット右翼(ネトウヨ)」と呼ばれる人たちが好んで使う罵倒の言葉を思わず連想しました。
ネトウヨの人たちやヘイトスピーチに参加する人たちの世界では、特定の相手を敵と認定し、皆で攻撃するための負のキーワードが存在します。それが「反日」「売国奴」「在日」などです。「日教組」もそんなキーワードの一つです。私自身、彼らから関係もないのに「日教組」と言われたことがあります。そう口にするだけで相手の言論を封じ込め、問答無用でおとしめ、自らが優位に立てると、彼らは信じているのです。
安倍首相は西川前農相の献金問題を追及する民主党議員に対し、唐突に「日教組!」とヤジを放った。それで相手をたじろがすことができると考えたのなら、ネトウヨ的発想に近いものを感じます。
ある選挙中、首相が秋葉原で演説するのを見たことがあります。日の丸の小旗を持った支持者たちが最も熱狂したのは、首相が日教組とマスコミを批判した時でした。「日教組」と言えば多くの人の共感を得られると思っているのかもしれません。
今、社会では、相手を敵か味方かに分け、敵と認定すれば皆で寄ってたかってたたく風潮が広まっています。「反日」「売国奴」など、何の議論も対話も成立しないような根拠のない罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせかける風潮もあります。
今回はそれがとうとう、国会の場へ、ましてや一国の首相の手によって。そのことが最大の問題ではないでしょうか。【聞き手・小国綾子】
◇マスコミよ、もっと怒れ−−吉永みち子さん(作家)
ちょっと失礼ですが、言わせていただきますよ。あのやりとり、大人じゃない。安倍さん、野党の批判は批判として粛々と受け止めればいいのに、なぜそれができないのでしょうか。批判があってこそ議論が生まれ、物事がより良くなっていくはずなのですが。
歯がゆいのは「首相の品格」の問題に矮小(わいしょう)化されてしまったこと。本当なら、政治とカネの問題をとことん突き詰めるべき場面だったのに。これは民主党もだらしないよ。安倍さんがヤジった時点で「総理、それはどういう意味ですか」と、逆に民主党側の土俵に引きずりこむ好機だったのに、ストレートに怒っちゃった。やり方が稚拙です。
この問題を大きく報じているのは一部の新聞です。安倍政権の広報紙みたいな新聞は当然として、テレビもあまり取り上げない。私が心配するのはそんな今の日本の空気感です。
このヤジ騒動、ニュース番組やワイドショーのおいしいネタのはずですよ。民主党政権時代、原発事故を巡る閣僚の失言がありましたが、どこも特集組んで放送していたじゃない。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の事件でも、政府対応が正しかったのか検証が必要なのに、それを言うと、なぜか「テロに屈する」などと言い出す。議論のすり替えなのに、みんな黙っている。安倍政権からクレームがくるのが怖いのでしょうか。
なぜ戦前の日本人は政府・軍部の愚かな暴走を許したのか、不思議でしょうがなかったんです。でも今の日本を見ていて「ああ、そういうことだったのか」と得心します。杞憂(きゆう)に終わればよいのですが。【聞き手・吉井理記】
◇昔なら内閣が吹っ飛んだ−−森田実さん(政治評論家)
安倍首相の言動に、1953年2月の衆院予算委員会を思い浮かべた。右派社会党の議員の質問に当時の吉田茂首相が小声でつぶやいた「バカヤロー」という言葉を偶然マイクが拾った。懲罰動議が可決され、さらに内閣不信任案の可決に発展、いわゆる「バカヤロー解散」の引き金となった。
首相の発言はそれほど重いということだが、今回は面と向かって、しかも事実誤認であり、より悪質だ。本来は内閣が倒れるような問題なのに、直後に起きた西川前農相の辞任問題に世間の視線は向いてしまった。
首相がヤジで言及した日教組の組織率は既に2割台だ。そんな組織への敵がい心に凝り固まっているとすれば、あまりに古い思考と言わざるを得ない。国会で政府を点検するという正当な行為を首相自らが妨害するのを許せば、行き着く先は弾圧だ。
感情を抑制できず表に出してしまったことも問題だ。むきになる姿勢は国内政治に限らず外交的にもマイナス。
「高慢は常に破滅の一歩手前にあらわれる。高慢になる人はもう勝負に負けている」とはスイスの思想家ヒルティの言葉だ。民主党議員を見下した首相の姿勢が目に付く。だが、それは自ら終えんに近づいているということだ。【聞き手・庄司哲也】
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そんな残念な安倍くんは1954年の生まれで、彼の小学校時代は1961年〜1967年。「日教組」が組織されたのは1947年(昭和22年)で、1958年には初の組織率計測が行われ、その年の組織率は86.3%!以降、その数字は下がり続けて、現在は20%後半。
だが、安倍小学校時代のそれは、正に急降下時代ではあるが、80〜58%という高水準なのである。
ということは、彼が通った武蔵野の成蹊小学校の先生のうち、少なく見積もっても3人にひとり、もっと譲って2人にひとりは「日教組」に入っている先生ではなかったのか。その中に、彼の好きな先生はいなかったのだろうか。彼の郷愁に残る恩師はいなかったのだろうか・・・・いなかったからこそ国会議員を否定する例えの野次として「日教組!」と叫べたのかもしれない。
但し、成蹊小学校は私立の名門校らしいので、そういう先生は採らなったかもしれない。
ところで、僕は「日教組」の大シンパでも、熱狂的支持者でもない。「ゆとり教育」を考え出したのは彼らだし、「自衛隊員や警察官を両親に持つ子供たちに‘この子らの親は悪人です’と叫んだり」、「北朝鮮を擁護、援護したり」と、なかなかの時代迷走ぶりだ。世の中を読めないのは先生の常なのだが、アホぶりは安倍くんに負けない。
そして、今や昔日の面影のない「「日教組」である。その姿に未だに憎悪の炎を燃やす安倍晋三!我が国の元首である!国を治める第一人者、最高責任者である。その心根の寒さと安さと低さに、心胆相凍らされるのだ!
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その安倍君だが、二回の首相就任を経て、精力的に日本を自分の思う「美しい国」に仕立て上げようとしている。以下、その所業だ。
▼憲法改正宣言!
――2006年10月、総裁選で施行60周年を迎えた日本国憲法改正を宣言。総理就任後の国会で、「現行の憲法は、日本が占領されている時代に制定され、60年近くを経て現実にそぐわないものとなっているので、21世紀にふさわしい日本の未来の姿あるいは理想を憲法として書き上げていくことが必要と考えている」と発言。[1
▼教育基本法の改正!
――2006年4月、愛国心という直接的な表現を避け、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という一文を入れ、「愛国心は評価することはできない」が、「日本の伝統と文化を学ぶ姿勢や態度は評価の対象にする」と言明。
――2006年12月、教育基本法を改正し、教育の目標の一つとして愛国心という言葉を盛り込んだ他、義務教育9年の規定や男女共学の項を削除。内閣府直属の「教育再生会議」を立ち上げた。
――2013年3月、第二次政権時、教育再生実行会議の第一次提言を行う。
•6・3・3・4制の見直しによる「平成の学制大改革」
•道徳の教科化
•いじめ対策の法制化
▼防衛庁を防衛省に昇格!(2006・12月)
▼普天間基地問題!
――2013年12月25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設に向け、沖縄県知事の仲井真弘多と会談。仲井真は「驚くべき立派な内容だ」と評価し、名護市辺野古沖の埋め立て申請を承認
▼靖国参拝
――内閣発足からちょうど1年となる2013年12月26日、第1次時代も含め首相在任中としては自身初の参拝。
▼集団的自衛権閣議決定!
――2014年7月1日。閣議決定によると、集団的自衛権の行使については、
@密接な関係にある他国が武力攻撃をうけ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある。
A国民を守るために他に適当な手段がない
B必要最小限度の実力の行使。
の3要件に該当する場合に限り、自衛の措置として憲法上許容されるとした。日本が攻撃されていなくても、密接な関係にある他国が攻撃された場合に、自衛隊が他国の軍隊と一緒に反撃できるようになる。
▼特定秘密保護法案成立!
――2014年12月10日施行。日本の安全保障に関する情報のうち「特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」として指定し、取扱者の適正評価の実施や漏洩した場合の罰則などを定めた法律である
※特定秘密とは以下の4つに関するもの。
第1号 - 防衛に関する事項
第2号 - 外交に関する事項
第3号 - 外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止に関する事項
第4号 - テロ活動防止に関する事項
そして、とうとう!
▼文官統制廃止へ!
――2015年2月21日。防衛省が、内部部局(内局)の背広組(文官)が制服組自衛官より優位を保つと 解釈される同省設置法一二条を改正する方針を固めたことが分かった。自衛隊の部隊 運用(作戦)を制服組主体に改める「運用一体化」も改正法案に盛り込む。背広組 優位からの転換となり、背広組が制服組をコントロールする「文官統制」の規定が 全廃される。制服組や制服OBの国会議員からの強い要求を受け入れた形。
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ところで、文民統制とは「シビリアンコントロール」と呼ばれ、国民の代表である政治家が、軍隊を常に制御できる状態に置くこと。日本は軍部が暴走して戦争に突入した苦い経験から、戦後、首相や閣僚は軍人でなく「文民」が務めると憲法に明記した。自衛隊の最高指揮権も首相が持っている。
一方、文官統制とは、防衛省内で、文民統制を確保する手段で、省内には政策立案を担当する官僚(文官)と、自衛官の二種類の職員がおり、前者はスーツを着ているので「背広組」、後者は制服を着ているため「制服組」と呼ばれている。防衛省設置法一二条では、防衛相が制服組である統合幕僚長と陸海空の幕僚長に指示や承認を行う際、文官の官房長と局長が「補佐」すると定める。これが、背広組が制服組より高い立場にあることを示した条文とされている。
そこで、今回の改正の狙いは、背広組と制服組が、対等な立場で防衛相を補佐する仕組みに変えることと、もう一つ。現行法では、自衛隊の運用は内局の運用企画局が所掌しているが、改正案は同局を廃止し、統合幕僚監部に一元化しようというのだ。
何故か。制服組には、現場の実情を知らない背広組が防衛政策の立案や自衛隊の運用で優位に立つことへの不満がある。嘗て、福田内閣で石破茂防衛相が「内幕一体化」を提唱するなど、政治家の中にも見直しを求める声があった。
改正されれば、文民統制の弱体化を招き、制服組が暴走した場合に歯止めが利きにくくなると懸念される。
そんな時、自衛官出身の中谷元防衛相は二月二十七日の記者会見で 防衛省設置法に「文官統制」が規定されたのは、戦時中の軍部独走の反省からか、との質問に「そういうふうには私は思わない」と述べ、更に 「私はその後生まれたのでよく分からない」とも述べた。
この人の歴史認識と自己認識はおかしい。
※これらのニュースへの纐纈厚・山口大教授(政治学)のコメント。
――政府の十分な説明もなく、国民的議論もないままに 文官統制を実質無にする案にぼうぜんとする。大胆な恐るべき改悪だ。このまま法律が変われば、文官は 軍事的分野に立ち入れなくなり、制服組優位が実質化してしまう。防衛強化の流れの中で非常に不安が大きい。 戦前、軍事専門家である軍人に全てを委ね、国民が知らないうちに決定がなされ、戦争に突入してしまった。 その反省からつくられた文官統制をほごにするのは、歴史の教訓の全否定につながると考える。
僕は思っている。安倍晋三君は戦争をやりたいのだと。彼の所業を見ると、そうとしか思えない。つまり、彼は今、恰も戦犯になろうとしているのだ。それも、最高責任戦犯者に!只、彼がその責任を感じ、その罪に服してくれるかは、歴史が知るのみだ。
ただ・・・戦争に勝ってしまったら、戦犯にはならない。
そうか!安倍君は戦争に勝つ気なんだ!というのが、この時点の僕の最終判断。

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