昨年のライジングサン・フェスで、かまやつひろしとの共演も記憶に新しいブルース・バンドの「ファースト・アルバム」。
メンバーは永井"ホトケ"隆(vo&g)、浅野祥之(g)、沼澤尚(dr)。数曲でゲストにハープ奏者が参加。ギター2本とドラムのベース・レス・トリオという事で、真っ先に思い浮かぶのがハウンドドッグ・テイラーだが、本人たちも意識しているらしい。
このシンプルなバンド構成でブルースのスタンダードをダビングなしの一発録り、ライヴ・ステージと同じテンションで全12曲きめてくれている。
オープニングのエルモア・ジェイムスのナンバーでは、洪水のようなスライド・ギターが鳴り響く。私はこの一曲で「買い」を決めた。後半のソロも、ボトルネックが滑りまくり。一曲目から飛ばしすぎじゃないのか?!と心配になるくらい。
ライジングサンのボヘミアンガーデンでも老若男女で盛り上がったマディ・ウォーターズのナンバーも抜群のノリ。
ブルーズの渋さよりも熱さが強調されているように感じた。リード・ギターの歪みなどはロック・ファンにも十分受けるだろう。ベースなしでむき出しになったドラムの響きも新鮮で、じつに気持ちが良い。
残念なことに、この傑作アルバム発売後“ブッチャー”こと浅野祥之氏は急病で死去された。
ギターマガジン誌で、彼が楽しそうにフェンダー・ジャパンのギターを試奏レポートしている特集を読んだのはつい数ヶ月前。このアルバムでも、とびきり熱いブルース・ギターが聴けるだけに・・・無念。

THE BLUES POWER/This Is The Blues Power
ジャケットも内容も最高。ブルースの魅力が一杯詰まった傑作だと思う。

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