『博士の愛した数式』
小泉堯史 (監督)
寺尾聰 (主演男優)
深津絵里 (主演女優)
齋藤隆成 (主演男優・子役)
吉岡秀隆 (男優)
浅丘ルリ子 (女優)
2005年制作
2006年公開
☆☆☆
映画館で観ました。僕は人の気配があるだけで気が散ってしまい集中できないタイプなので、途中「やっぱり自宅でビデオ(DVD)で見た方がいいな」と思った瞬間もあったのだけど、2時間があっという間だった。やはり映画館は画面も大きいし音響もいいし惹き込まれていたのだろう。
寺尾聰が良かった。吉岡君はイマイチ。実は昔から深津絵里が大好きで・・・、もう一度言いましょうか? 深津絵里が大好きで・・・、良かった〜。あの人はもうそこにいるだけで好き〜。
映画はと言うと、どうでしょうね。どうだろなぁ。期待が高すぎたのかもしれないが、ちょっと・・・。正直言うと、原作小説(『
博士の愛した数式』小川洋子 新潮社 2005年)の方が映画よりも良いと思う(ただしそう思うのは、映画を観た後に、映画によって得た映像的イメージを思い浮かべながら読んだせいかもしれない)。それというのも、原作小説は、数学なんて学校に置いてきたまま忘れてしまっていた家政婦が、年老いた数学博士とのやりとりを通して、数の世界に隠された神秘に触れ、それまで見えていなかったものが見えてくる・・・、というところに面白さがあるのだが、そんな主観的な「気づき」みたいなものを映像で表現するのは困難だから、映画として老博士と家政婦さんとその10歳の息子とのホノボノとした心の交流を描くのが中心になってしまうからだ。で、単にホノボノ話なのなら、変人の数学博士を登場させる必然性がないわけで、どうしても中途半端なつくりになってしまう。
ただ…、原作小説の家政婦さんはどう考えてもただのオバサンで、どう頑張っても深津絵里をイメージできない。深津絵里さんを楽しみたいなら、映画じゃないとダメ。

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