『サプライズ』
キム・ジンソン (監督)
シン・ハギュン (主演男優)
イ・ヨウォン (主演女優)
キム・ミニ (女優)
コン・ヒョンジン (男優)
2002年制作
日本劇場未公開
☆☆☆

『
トンマッコルへようこそ』(パク・クァンヒョン 監督 2005年)で、韓国軍兵士を演じていたシン・ハギュンを主人公とする、典型的な韓流ラブコメディ。もの凄〜く馬鹿バカしい話だが、予定調和的なストーリー展開に安心して身を委ねていられる。意外にもラストでは、視聴者のためのちょっとしたサプライズも用意されている。オリジナルタイトルも「
서프라이즈(ソプライヂュ)」。めでたし、めでたし。
ソウルで美容師として働く若い女性が主人公(イ・ヨウォン)。高校時代からの親友(キム・ミニ)は、韓国系米国人(?)の彼氏(シン・ハギュン)の久し振りの訪韓に合わせ、誕生会・婚約発表を兼ねたサプライズパーティーを準備している。ところが、彼氏が韓国人ではないと知った父親が急に結婚に反対しだしたため、父親を説得している間、主人公は彼氏が親友の家に到着しないよう引き止めておいてくれと懇願される。

朝から見知らぬ変な女に付きまとわれて困惑していた彼氏だったが、誤解も解け、彼の見せる何気ない優しさに主人公も急速に惹かれていく。ここに、彼氏を新しい恋人だと勘違いした主人公の元カレ男が乱入してきたものだから、2人の距離は急接近。でも、親友の恋人を好きになるわけにはいかないし…、という、まぁ、愚にもつかないストーリー。でも、楽しんで観ました。こういう愚にもつかない韓流ラブコメを観たかったんだもん。
前半は、何も知らない彼氏が振り回されるコミカルな姿を楽しむノンストップコメディモード。1時間を過ぎ、主人公が彼氏の誠実さに惹かれ始めた辺りから、恋をとるか友情をとるかを悩む恋愛モードに突入。最近忘れていたけれど、こういう展開が2000年代前半の韓流映画なんだろうなぁ…。いいんですよ、それで。2002年の韓流映画なんだから。

主演男優のシン・ハギュンはたぶん黙っていればいい男なんだろうけど、どこにでもいる普通の男性をコミカルに演じている。彼、誰かに似ているような気がするんだけど…、鈴井貴之? 西村雅彦? 大泉洋? イチロー? う〜ん…。誰かに似てると言うより、何かに似ているのかもしれない。
2秒で覚悟を決める主人公を演じるイ・ヨウォンは、東アジア的正統派美女だと思う。冷たい感じの美人ではなくて、親しみを感じさせる笑顔美人。おスマシすれば仲間由紀恵、おデコは吉田美和、コミカルな演技はともさかりえを僕に想い起こさせた。彼女が舌っ足らずに甘えた口調でしゃべる韓国語はかなり可愛い(ときどきそういう場面があった)。主人公を一方的に追い回す元カレ役のコン・ヒョンジンの、嫉妬に狂った顔も吉(先日観た『
家門の危機』(チョン・ヨンギ 監督 2005年)でも、ピアノ弾き語りで愛を告白するも、気づかれもしない(!)というコミカルな場面でいい泣き顔を見せていた)。

レンタルで借りてきたDVDにはハングル字幕表示のオプションがついていた。ハングル字幕を見ながら発音を聞いていると「
오(オ)」が「
우(ウ)」に聴こえる場合が非常に多いことに気がついた。例えば、「
나도(ナド)」「
좀(チョm)」「
보세요(ポセヨ)」等は、それぞれ「
나두(ナドゥ)」「
줌(チュm)」「
부세요(プセヨ)」に聴こえる。同じ場面で、ハングル字幕と日本語字幕を交互に見比べてみると、「あ、ここ意訳したんだな」と気づく場面もいくつかあって、新たな楽しみを見つけた気分。
今日の一言韓国語は「
친구의 친구는 친구잖아요.(チングエ チングヌン チングヂャナヨ)」=「友達の友達は友達じゃないですか」。「
이지 않아요」の「
이」が省略された上、縮まって「
잖아요」になってる。

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