『ピアノを弾く大統領』
チョン・マンベ (監督)
チェ・ジウ (主演女優)
アン・ソンギ (主演男優)
イム・スジョン (女優)
2002年制作
2005年日本公開
☆

『冬のソナタ』のチェ・ヂウが高校の国語教師を、名優アン・ソンギが韓国大統領を演じるお気軽ラブコメディー。ついに当コーナー始まって以来の星1つ作品の登場。
オリジナルタイトルも「
피아노 치는 대통령(ピアノ チヌ
ン テト
ンニョ
ン)」=「ピアノを弾く大統領」。最後まで観れば、まぁなるほどとは思うタイトルなのだけど。
のっけから嫌な予感がしたんだけど…、ダメダメだった〜。星3つくらいだろうとは思っていたけど、アン・ソンギも出てるしチェ・ジウも出てるしさ〜、まぁ楽しめるだろうと思っていたのにガッカリ。初チェ・ジウだったのに〜。

この映画、チェ・ジウにコミカルな演技をさせてみようという、ただそれだけの企画なんじゃないか。何もかもダメ。全くお話にならない。これまで観た韓流映画の中で最もダメ。1つ1つのエピソードの描かれ方が浅いし、相互の関連性も見えてこないし、リアリティーも全くないし、話があまりにもお手軽だし…。映画情報を調べていたら、脚本がチョン・マンベ監督とクァク・ジェヨンの手によるものであることがわかった。クァク・ジェヨンは『
猟奇的な彼女』『
ラブストーリー』『
僕の彼女を紹介します』の脚本を書いて自ら監督している人なんだけど、若い女優を中心に据えたおとぎ話みたいな映画をつくる人、という印象。この映画は、その路線の失敗作なんじゃないかなぁ。
レンタルで借りてきたDVDにはハングル字幕表示のオプションがついていた。その点は評価するんだけど。
今日の一言韓国語は「
선생님(ソ
ンセ
ンニ
ム)」=「先生様」(カタカナで書くとほとんど区別のつかない3種類のパッチムが使われているのも勉強になる)。金正日のことを北朝鮮の民衆が「将軍様」と呼ぶのはいかにも独裁者という感じがする。ところがこれ、韓国語の世界ではたぶんたいした表現ではないのだと思う。「社長様」とか「(病院の)院長様」とか「〜様」というのはちょっとした丁寧な言い方に過ぎないのだと思う。「先生様」は、学校の先生はもちろん、見知らぬ人に対しても使われる(韓国語には、二人称にあたる丁寧な言い方が存在しないため)。さぁ叫んでみよう! ソンセンニン! ソンセンニン! それはソンセンニン!

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