『ダメジン』
三木聡 (監督)
佐藤隆太 (主演男優)
緋田康人 (主演男優)
温水洋一 (主演男優)
市川実日子 (女優)
ふせえり (女優)
篠井英介 (男優)
謙吾 (男優)
2006年制作
2006年公開
☆☆

魔が差した…。「何じゃこりゃ???」と疑問符だらけだった『
亀は意外と速く泳ぐ』(三木聡 監督 2005年)が時間の経過とともにジワジワ面白くなってきちゃったものだから、レンタル屋で本作を見かけてつい借りてきてしまった。
三木聡による劇場公開映画第3作。本当は監督デビュー作として2002年に撮影を終えていたのに、紆余曲折あってお蔵入り寸前のところを(おそらくテレビドラマ『時効警察』等のヒットによって)ようやく日の目を見ることになったようだ。キーワードはお決まりの「脱力系」。まぁ当然、ストーリーもクソもない。

川崎の工場跡地に建てたバラック小屋で暮らす、ダメジン3人組のダメっぷりを楽しむ映画。「ダメジン」っていうのは漢字で書けば「駄目人」で、監督に言わせれば「もちろんJohn Lennonの『Imagine』があるわけです」っていうわけだけど、僕としては、陣内孝則のセカンドシングル(1987年 詞:阿木燿子 曲:鈴木キサブロー)のタイトルが『現在人』と書いて「イマジン」と読ませるっていう方がもっとダメだね。そういうダメさ加減を楽しむ映画。
何か凄いもの観ちゃったなー、という印象。『
亀は意外と速く泳ぐ』がマトモな映画に思えてくるくらい。映像も汚いし、音声も酷いし。どんなにダメなものが好きな人にも僕は薦めないなぁ(それでも『
海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』(太田隆文 監督 2006年)よりはマシだったけれども)。これが岡田眞澄の遺作だなんて、人生は残酷だ。

レンタル屋で借りてきたDVDには、98分の本編に対して何と95分分の特典映像が収録されていた。これも大半は要らん映像ばかりで(笑)。ちょっと面白かったのは温水洋一による監督評。「微妙な、こんなところに笑いが、落っこちてるのかっていう、そういうところを探してくるのが凄く、うまい方だなと」なんてことを言っていて、なるほどな、と思う。確かに、この人の映画の可笑しさは「こんなところに笑いが落っこちてるのか」という驚きにあると思う。
紅一点の市川実日子が(売れる前の伊東美咲もセーラー服着て出ているので、本当は紅二点だけど)トルエン常習のダメな女のコを演じていて、これはこれでまぁ可愛いんだけど、やっぱりこの役を上野樹里(『
亀は意外と速く泳ぐ』の主人公)にやらせるわけにはいかなかっただろうな〜。以上!

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