今回、東京でも何度か食事をした。
それはパスタだったり、ラーメンだったり、
どれも正直、カリフォルニアのどこで食事するよりも
うんとうんと数倍美味しかった。
駅構内のうどん屋さんでさえ、美味しかった。
だけど、この度、東京で忘れられない味は、
目黒通り沿いにある中国人が経営している中華屋さんの
『酢豚』だった。
しかも、黒酢の酢豚。
酢豚と言えば、何やら人参、たまねぎ、ピーマンなど、
サッと素揚げした野菜とお肉とのコラボを想像するが、
そこの酢豚は肉だけ。
これがもう、死ぬ程美味かった!
私は北京風冷麺というのを頼んで、夫が酢豚を頼んだのだが、
途中からしっかり交換して食べる程に酢豚が美味かった。
カラリと揚がった豚肉に、黒っぽい甘酢あんがとろりと
からみ、口に頬張ると、カリッとしてジュワッと
肉の甘みが口中に広がるのだ。
そして、野菜という邪魔者がいないから、
その旨味をどこまでもとことん追求できる。
野菜はサラダで隣にてんこ盛りでつけ合わされていたが、
それで良いんじゃないのか?と目から鱗だった。
これより、家で酢豚を作る時にも、この方法でいくぞ、と決心。
それを食べたのは、帰省して3日目の事だったのに、
今でも昨日食べたかの如くに思い出せる味なのだ。
あれをもう一度、食べたいよぉー。
東京は大阪に比べると、外食の当たり外れが大きい。
美味しい所に当たるとそれなりだが、
そうでない所に当たってしまうと悔しさで歯ぎしりしたくなる位に
不味い、なんて事も時々ある。
だけど、今回はなかなか良かったなぁ。全部当たりだったもの。
もし来年、また日本に帰るような事があったなら、
絶対の絶対にそこへもう一度行こう、と思っている。
一人でだって行くんだ。と、思っている。
一瞬、あの店があるだけで、また目黒に住みたい、と
思う位に美味しかった。
ちなみに、冷麺も美味しかったし、青椒肉絲も美味しかった。
全部全部美味しかった。
ただ、抜きん出て黒酢の酢豚が美味しかっただけなのだけど。
で、店の名前は全く覚えていないから驚く。
実際、店の屋号さえ見なかったのだから。
アホやな。

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