明日から夏のバケイションでべガスへ行って来る。
ああ、思えば、アメリカに来てから何度べガスへは
行っているだろうか。
ユタに住んでいる時は、
あそこが一番近い大都会という感覚で、
「どこへ行く?」と言うと、「じゃ、べガス?」なんて
のりでよく行ったけれど、
サンフランシスコに住む様になってからは、
遠くなった事もその一因だが、
何と言っても『そこへ行く』という必要性がなくなって
ほとんど行きたいと思わなくなった。
そもそも、ユタに住っている時はべガスまで
『ご飯を食べに』行っていたのだ。
ユタの私達の町のレストランは恐ろしく偏った感じに
中華料理も日本料理もアメリカナイズされていた訳で、
その点、ラスべガスまで行けば普通に美味しい物を
そこそこのお値段で提供してくる、という所に魅力があった。
が、サンフランシスコはユタとは全く違う。
町並みが洗練されているのと同じに、
そうそうたるエピキュールで埋め尽くされている事は
あまりにも明らかで、レストランの質が恐ろしく高い。
アメリカ国内でも、相当に舌も洗練された人間が多い方
なのだと思う。
何年も前に誰かが「アメリカ人の舌は犬以下」というどこぞの
国が発表したバイオロジー系の調査結果に大笑いしたりしたが、
真面目な顔でサンフランシスコの人達はそうとは言えない、と
今の私は否定に躍起になったりする。
そういう町に住う様になってしまったら、
ユタの時と同じ理由でベガスへ行こうとは思わない。
そんな訳で、毎年の勢いで行っていたラスべガス、
ここの所は数年に一度の割りに減っている。
食べる事目的で行かなくなったラスべガス、
だけど、きちんと次のステップへ人間進める様に出来ていて、
ここの所はショーを観に行く事がその最たる目的になっている。
つまり、ユタを出て初めて、普通の人達が普通に考える、
『ラスべガスへ行く』意味へ到達し始めた、という訳である。
2年前にラスべガスで観たシルク・ド・ソレイユの『KA』は
当時やり始めたばかりの新作で、
正直それ程の興味はなかったのだが友人に誘われて観た。
確かにすごい場面も沢山あったのだが、
私にとってはボーリングなショーで決して100ドルを超えた
お金を支払ってまで観る必要のないものだったと今も思っている。
それを踏まえて、例えシルク・ド・ソレイユのショーと言えども、
新作は飛びついて観に行くべからず、と自分の戒めに。
この頃の新作は、『LOVE』なのだが、それはビートルズファンの
夫が一人で固執して「行きたい!」と言うので、
勝手に行ってもらう事にして、
私の方は、お蝶婦人Kの夫が「借金してでも観るべし」と言った
『O』を観に行く事を予定している。
お蝶婦人Kの夫は、完全なる理数系の人間で、
毎晩ソールドアウトのセリーヌ・ディオンのショーでさえ、
「あんな下らんもんはなかった」と
豪語する鉄の心を持った男なのだが、それが良いと言うのだから、
これは間違いがなかろう、と私は踏んだのだ。
一切、シルク・ド・ソレイユに肩入れなんぞしない男の言葉だ。
それは信ずるに足る。
これが仕事だったら、面白かろうがなかろうがしっかり観て
レビューを書かねばならんのだろうけれど、
私の場合は趣味ですからなぁ〜。
ま、仕事だったら、それはそれでしっかりやりますが。
と、言う訳で、すっごくすっごく『O』を楽しみに
ベガスへ向かう気満々の私なのである。
明日からは、そんな訳で、しばらく更新お休みです。
また帰って来たら旅行記でアップします。
金曜日の晩には帰ってくる予定。

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