キリ番 Next:30000
後  



これの続き
































「さーて着いたぞ息子達よ!」


実の息子達に薬を盛り、強制的に連れだした父、千景。
車を駐車場に止めて、千景はんー、と背伸びをした。


「いやー、疲れた疲れた!お前らも久しぶりだろ、埼玉!」


返事がないので後ろを振り向くと、そこには死屍累々、まるで死体のようにぐったりとした息子達がいた。


「あんれー?お前ら、乗り物酔いするんだっけか?」
「「「「「…………」」」」」
「…………ああ!薬の所為か!」


わりぃわりぃ、と笑いながら鞄の中を探る。取りだしたのは液体が入った瓶だった。


「ほーら、門田の知り合いの闇医者特製解毒剤だぞー。今楽にしてやるからなぁ」


そう言ってそれぞれの口の中に液体を流してやった。
静雄だけ量が多かったが。
暫くするとだんだんと体が動くようになったのか、次々と起き上がってくる。


「おー、おはよう」
「………っ、おはようじゃ、ないっつーの…!」
「臨也ぁ、お前、元から不健康な顔がもっと不健康な色になってるぞ?」
「誰の所為だよ!」
「お、おい帝人!大丈夫か?」
「帝兄!」


正臣と青葉が中々起き上がれない帝人を心配そうに見つめる。
どうやら、他の兄弟よりも体力のない帝人には効果が強すぎるみたいだ。
静雄の腕を借りて、帝人はやっと起き上がった。


「帝人、つらいところないか?」
「…ん、……だい、じょうぶ」
「帝兄、咽喉乾いてないですか?」
「へいき」
「帝人君、家に帰ったらシズちゃんがクソ親父やっといてくれるから心配しないでね!」
「おい、何で俺なんだよ」
「シズちゃんが出来ることってそれくらいでしょ。化け物なんだから」
「てめえ…っ!」
「ちょーいちょい、狭い車の中で戦争しないでくれよ」


千景は車壊したら俺が門田に怒られるだろー、と静雄と臨也の間に入ってきた。
その千景の胸倉を掴んで、静雄が外に放り投げた。


「いっでー!」
「てめぇよお………俺と臨也のクソはともかく、帝人達に何してくれてんだ、あ゛ぁ?」
「ちょっと、俺をシズちゃんと一緒にまとめないでくれる?俺だって普通の人間なんだけど」
「あ?俺と喧嘩して毎日ほぼ無傷なお前のどこが普通の人間だよ」
「訂正。普通の人間よりはちょっとだけ頑丈な普通の人間だよ」
「臨兄、それ普通の人間じゃねーから」
「正臣は黙ってようか」


ついつっこんでしまった正臣に臨也はにっこりとほほ笑んだ。


「だってよー、お前ら絶対俺の言うこと聞いてくんないって思ってー」
「だからってこんなやり方はねーだろ!」
「いいじゃん、みんな無事なんだし」
「〜〜〜〜、死ね!」
「やあん、静雄こわーい☆」
「き、しょ、く、わ、る、い!」


周りに何か武器になるものが見当たらず、静雄は自分の拳を千景に叩きこんだ。
しかし、それはひらりとかわされた。


「喧嘩しないでさ、門田へのプレゼント選ぼうぜ!」
「父さん、母さんの好きなものとか知ってるんですか?」
「うん、その前に帝人、お兄ちゃんとめてくれない?」
「今日は父さんが悪いので、お仕置き受けてもらおうかと……」
「ごめん帝人!ほんとごめん!今度帝人専用のパソコンもう一台買ってあげるから静雄止めて下さい!!!!」
「仕方ないなぁ」

(((帝人/帝人君/帝兄ってば策士………!)))


ちょろいな、と帝人は静雄を止める。
命拾いをした千景は、さあ、れっつごー!とデパートの中に入って行った。




―――――――――――――――――――――――――――――




「みっかどー!これ青葉に似てねー!?」
「正兄止めてくださいよ!てめ、マジ死ね!」
「兄に向ってそれやめろっつってんだろミカコン!(帝人コンプレックスの略)」
「あんただって十分ミカコンでしょうが!」
「なにをー!?」


「いーざーやーくーん………なーにしてんのかなぁー?」
「ちょ、動かないでよシズちゃん。せっかくそのめでたい頭可愛くしてあげてるんだから」
「誰がやって欲しいって言った?」
「もうちょっと………できた!きゃー、カチュームなんかつけちゃってシズちゃんかーわーいーいー!(棒読み)」
「臨也ぁぁぁああぁあぁああぁぁあぁぁ!!!」
「あっはははははははははははは!!!!」









(激しく帰りたい………)


帝人は深い溜息をついた。
何故自分の兄弟達は人目を憚らないのだろうか。
羞恥心はないのか。まったくもって理解できない。


「父さん、あれらは放っておいて……」
「キミかわいいねー!どう、俺とお茶しない?」


隣に息子がいるにもかかわらず、平気でナンパに勤しむ千景。
帝人のまとう空気が冷たくなって行くのを自分で感じた。


「どいつもこいつも………ここは僕がしっかりしなきゃ…」


親兄弟、誰にも似ていなくてよかったと心の底から思う。
ナンパに夢中で隙だらけな千景のポケットから財布を抜きとり、帝人はデパート内を歩き始めた。




―――――――――――――――――――――――――――――




「「「「「ごめんなさいでした」」」」」
「五月蠅いですってば」


家に帰り、任務を一人で遂行した帝人に全員が頭を下げる。
まだ帝人の怒りが収まっていないことが明らかなので、とにかく謝ろうと必死だ。


「無事に母さんへのプレゼントも買えたし、あなた達は暴れられたしよかったじゃないですか」
「いや、だから」
「だからなんですか静兄?静兄が私と一緒についてきていたとして、何か役に立つことできたんですか?」
「う……」
「臨兄も、正臣も、青葉も同じですよ」
「「「………っ」」」
「父さんに至っては、もう何も言いません」
「みかどぉーっ!!」
「何ですか酷い事言って欲しいんですか?はっ、女好きなドMなんてこっちから願い下げですよ」


どうやら許す気はないらしい。
帝人は門田へのプレゼントを抱えて、自分の部屋に戻ってしまった。


「………さーて、俺、パソコン買ってこようかn」
「何逃げようとしてんだクソ親父」


立ち上がろうとした千景の裾を引っ張って、再び元の場所に戻した。


「だ、だって俺帝人に買うって約束したし!」
「ずるいよ!俺だって帝人君にパソコン買う!そして許してもらう!」
「お前ら考えが浅はかなんだよ!」
「買うお金がないからって僻むのいくないよシズちゃん」
「うるせえ!!!!」
「青葉、お前どうすんだよ」
「どうしようもないですよ」
「だよなぁ…」
「帝兄が落ち着くまで待つのが一番だと思います」
「………その間にお菓子でも買ってくるか」
「そうですね」


ぎゃーぎゃー騒いでいる3人を放っておき、正臣と青葉は財布を持って池袋の街に出かけた。












いい夫婦の日まで、あと19日。
















(帝人の好きなもの、全部買ってやろうぜ)
(勿論あんたがお金出してくれるんでしょう)
(あるぇ?さっきまでの協力姿勢はどこ行ったんだ!?)
―――――――――――――――――――――――――――――

うん。まあ失敗した。
ろっちー難しい><次に出す時までに練習しておきます!

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