「プリンスリーグU-18東海2008 vs浜名高校」
S−PULSE Youth
いよいよプリンスリーグ最終節。
勝てば昇格。引き分けならば東海学園の結果次第。負ければ2部残留。
勝てば良い。
目の前の敵を倒すことだけを考えれば良い。
非常に明確ではあるが、そんなに簡単なことではない。
だから、これだけ苦しい道のりを歩んできた。
選手到着前に入場口に幕を貼り、ユース史上初のバス待ち。
エコパに着いた瞬間から試合は始まったという気持ちを込めて、エスパルスコールをし、選手を迎えた。
このプリンスリーグ2部を戦う中で、実に3枚のメッセージ幕を作成した。
【Road to div.1 STAND BY YOU】
【ここは聖地日本平 熱くなれ!熱くさせろ!】
【みんなで一部に! 〜俺たちと共に!〜】
良いか悪いかは別として、選手に一番伝えたいことはメッセージとして選手に伝えるというのが俺の考え方。
この3枚の幕で、1部に昇格することができたのは、本当に嬉しかった。
試合前恒例のスタッフ・ベンチも含めての円陣。
最後の90分。悔いの残さない最高のプレーを期待する。
いつも以上に緊張した面持ちのような気がした。
それだけ大切な試合。
90分で勝利し、必ずや1部に帰るのは俺達だ。
≪先発≫
------池上---誠-------
----------------------
-傑---------------陽平
------達也--慶也------
----------------------
稲毛--恭平---蓮---諄也
----------------------
---------長島---------
16時。
運命を決めるホイッスルが鳴り響く。
キックオフから積極的に攻撃を仕掛けたのはエスパルス。
序盤から早い寄せ、積極的な攻撃、冷静な守備で浜名を圧倒。
良い形で試合をコントロールできている。
待望の先制点は意外にも開始10分で訪れる。
●稲毛拓也 (前半10分、傑CKから切り込んで達也折り返しを稲毛ヘッド)
右CKのキッカーは傑。
ショートコーナーで一度預け、マーカーがずれたところでもう一度ボールを受ける。
切れ込みファーサイドにボールを送ると、そこでジャンプ一番折り返したのは達也。
中央に送られたボールに反応したのは稲毛。
稲毛のヘディングシュートがゴールに吸い込まれ先制点を奪う。
前半訪れた最大のピンチも潤のビッグセーブでゴールを死守。
ピンチを乗り越え、チャンスを掴む。
そして勢いそのままに2点目をget!
●池上智視 (前半38分、誠浮き球パスゴール前混戦を池上が押し込む)
左サイドから中に持ち出した誠。誠の選択はミドルシュートでもスルーパスでなく、浮玉のロブ。
これに反応した池上と陽平。
陽平が頭ですらし、このボールに走りこんだ池上が足を延ばしゴールに突き刺す!
最高の形で前半を終え、2−0でハーフタイムを迎える。
ハーフタイム時、たまたまベンチ裏に行ったら、克己監督の指示が聞こえた。
「2−0だ。でもまだ何も終わっちゃいない。残り45分ある。」
そう、まだ何も掴んじゃいない。
後半開始。
前半の勢いそのままに攻めるのはエスパルス。
浜名は後半巻き返してくるかと思ったが、予想に反してエスパルスがイニシアチブを握り続ける。
後半15分 OUT 誠 ⇒ IN 亜人夢 (CF)
そして後半18分。
陽平が左サイドから突破を試みたところ、たまらず浜名DFがファール。
陽平が自ら得たPKのためにボールを抱え、スポットに向かう。
●前田陽平 (後半18分、ペナで陽平が倒され得たPKを陽平が自ら)
後半26分 OUT 慶也 ⇒ IN 郁 (CH)
後半26分 OUT 傑 ⇒ IN 成田 (LSH)
後半26分 OUT 蓮 ⇒ IN 教史 (CB)
後半37分 OUT 長島 ⇒ IN 柴田 (GK)
サイドから果敢に攻める。
3点目でリード守るのではなく、更なる追加点を狙う。
陽平のドリブルはもはやファールなしでは止められない。
亜人夢のFKは惜しくも枠外。
時間は刻々と過ぎていく。
長かった1年がもうすぐ終わり。
ロスタイム。
体を張ってボールをキープ。
最後の最後まで高い集中力を保ち続け、良く戦った。
そして歓喜の瞬間。
試合終了を告げるホイッスルが灼熱のエコパ補助に響き、エスパルスの1部昇格が決定する。
選手みんながHERO。
みんなで勝ち取った勝利。
みんなで掴んだ昇格。
みんなで1部に帰ろう。
本当に良かった。
これでやっとあの舞台に戻れる。
2部は決して楽ではなかった。
本当に苦しい戦いばかり。
でも、2敗したとはいえ、ずるずるいかずに修正を繰り返し、メンバーを試行錯誤しながらここまでやってきた。
1部昇格、復帰。
これはあくまで通過点。原点回帰。
クラセン、Jユースでさらに強くなって、来年1部で旋風を巻き起こすのがこれからの使命。
3年生みんなの気持ちがビシビシ伝わってきました。
後輩たちのために、みんなで頑張って作った道。
本当にありがとう。