先日テレビで放映された、シン・ヒョンジュンとチョン・ジュノ共演の韓国映画“サイレン”を見ました。
三人グループでの岸壁登山中に、生涯消し去る事の出来ない心の傷を負い、生き残った二人・・・
その二人の性格はかなりかけ離れたものだった。
その二人が同じヤンチョン消防署の救助隊に配置される。
いつも勇猛果敢で、自分の命を考えず救助に飛び込むジェヌ(シン・ヒョンジュン)
かたや、冷静な判断のみが救助につながると硬く信じるヒョン(チョン・ジュノ)
或る火災現場で、いつも通り危険な救助に挑もうとする、ジェヌをヒョンが静止する。
その妻子を火災で亡くした夫は、それからヒョンを逆恨みするようになり、ヒョンの周囲で不審な火災が続発する。
一方、ジェヌのそういう性格を心配しながら、彼を愛しているイェリンという女性がいた。
ついに、逆恨みの男がそのイェリンに対し魔の触手を伸ばすことに・・・
危険な薬品倉庫内での火災が発生し、イェリンが狙われる。
救助隊での救助は終了したが、なぜかヒョンがいなくなりジェヌも後を追って火の中へ・・・
ジェヌを愛し続けたイェリンの、最後の言葉がつらく響く・・・
火災で盲目となったイェリンが『いつも心配していたのに、とうとう逢えなくなったのね・・』
ヒョンがそばで慰める『ジェヌは君の眼となっていつでも見てくれているよ・・』

シン・ヒョンジュン
アメリカ映画で作られた『バックドラフト』や、同時期に韓国で映画化された『リベラ・メ』は火災の激しさを強調し、観衆の娯楽性を高めた映画だったが、この“サイレン”さすが韓国映画の真骨頂・・男女間の愛情あるいは男同士の友情と葛藤を題材にした映画だった。
救助する側、あるいは逆恨みして放火を繰り返す犯人も、結局は愛する人の為に事の全てが進んでいると言っても過言ではないかも知れない。
いまさらながらに、韓国の人達ちの愛情に関する強烈な感覚にはうならされる思いだ。


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