2006年 韓国映画 『ウォンタクの天使』
イ・ミヌ(神話) ・・・カン・ウォンタク役
ハハ ・・・ハ・ドンフン役
イム・ハリョン ・・・カン・ヨンギュ役
キム・サンジュン ・・・チャン・ソクジュ役
アン・ギルガン ・・・天使役
キム・ボヨン ・・・ウォンタクの母役
ウォンタクの父親ヨンギュは詐欺罪で捕まり、長い刑務所生活を余儀なくされた。
ヨンギュが警察に捕まり連行される時、幼かったウォンタクは行かないでと泣き叫ぶ。
いつ帰ってくるのか? と・・・
『すぐ、戻ってくるから・・』という父親の声に安堵したのか
ウォンタクは、指で鼻の頭を押し上げ、ガンバの合図を送る。
父親ヨンギュは、両腕を抱えられながらも、それをじっと見つめていた。
それ以来10年は経っただろうか・・・
刑務所からの、ヨンギュの釈放の日が明日に迫っていた。
ヨンギュはウォンタクの写真を眺めながらムショ生活を暮らしていたが、やくざのソクジュの強引な誘いでキックベースボールに誘われ、何でもない事で不慮の死を遂げてしまう・・・
釈放を明日に控えながら・・・
刑務所の死体安置室に横たわるヨンジュの所に、天使の男が迎えに来る。
天国に向かう時間だと・・・
しかし、ヨンジュはなかなか信じない。
もしそうなら自分の家族に逢わせてくれと嘆願する。
天使は、承諾し彼を本人の葬儀会場に連れて行く。
そこでは妻が、詐欺師の夫が最後には私達を騙してると泣き崩れ、愛するウォンタクは一生ぐれてやると荒れ狂っていた。
それを見た、ヨンジュは天使に泣きつく『ひと時でいいからウォンタクと親友になりたい』と・・・
天使の男は、今日はもう一人連れて行かないといけないので、忙しいから駄目だと断る。
しかし、熱烈なヨンジュの願いに折れて、彼をウォンタクと同年代の男に生まれ変わらせ、自身はもう一人の天国行きの相手の基に向かう。
そのもう一人とは、なんとヨンジュを間接的に死に追いやったやくざのソクジュだった。
ヨンジュと同じ日にムショから出所した彼だったが、昔の仲間が裏切った事に腹を立て相手の所に向かう途中に交通事故を起こし、危篤状態で病院に担ぎ込まれる。
医師が、もう明日まで生命は持たないが、しっかり看護してやれと看護士に言い渡す。
天使の男は、時間稼ぎをする為にソクジュの体の中に入り込み、すっかり完治したと看護士を驚かす。
イ・ミヌ
さて、ドンフンと名前を変え学生時代に若返ったヨンジュは、ウォンタクのいる学校に転校する。
しかし、ウォンタクはその学校では鼻つまみ者の、けんかっ早いぐれ男となっていた。
勉強をせず、仲間二人を引き連れて、学校内を暴れて廻る状態だった。
ドンフンは何とかウォンタクと友達になろうとするが、時代に遅れている彼は何をしても彼らの足を引っ張るだけ・・・
しかし、仲間は半狂乱になりながら切れ掛かるが、なぜかウォンタクは許してしまう。
ウォンタクは、或る日学校で父親が前科者だったといううわさを偶然に聞く。
その噂の張本人は、先生だという・・・
怒り狂った彼は先生の車をボコボコにして、停学処分になる。
ドンフンも同じ停学処分になろうと授業中、女子の先生のスカートをめくるが、ひょんな女先生の自尊心から失敗してしまう。
その後、二人で給食を食べていた時、ドンフンはウォンタクに『サバアレルギーだったろ!』という。
ウォンタクはぎょっとした表情を見せながら
『なんでそれを知っているのか?』と返す・・・
ドンフンはそれに答えず『サボらないか?このサバを食え』と勧める。
サバを食べて斑点が出来た顔で、二人は公認で学校を後にする。
ドンフンは一緒に行きたい所が有るんだと、ウォンタクを河川回覧船に乗せる。
『なんで連れてきたのか?』とのウォンタクの言葉に・・・
『乗りたかったろ!』とドンフンが答え、またウォンタクにギョッという表情をさせる。
そして、ドンフンが話す・・・
『この船は川の中を回遊するだけだ、しかし世界には大きな海という物がある、もっと大きな世界を見てみないか?』と彼を諭す。
『自分も海というものに気が付いた時にはすでに遅かったんだ』と・・・
或る日学校の、成績が優秀な生徒がウォンタクを脅迫してテスト問題を盗めという・・・
ウォンタクが好きな女学生も共犯だと嘘をいい、彼女も退学になっていいのか?と・・・
嫌がっていたウォンタクもその一言で、学校に盗みに入ることを決意する。
近くで聞いていたドンフンは、三人で学校に入るところを必死で引き止める。
絶対に悪いことをしてはいけない! と言いながら。
しかし、ウォンタク達はそんなドンフンを振り切って学校に盗みに入る。
しかし、見回りに来た警備員の近くで音を出してしまい、警備員に気づかれてしまう。
ウォンタク達が警備員に捕まろうとしたその瞬間、ドンフンが身代わりになり彼らを逃がす。
翌朝、ドンフンが一人で体罰を受け責められるが、彼は絶対に『ひとりでやった』と言い張り口を割らない。
そんな中いたたまれなくなり屋上に上がった、ウォンタクの元に例のテスト問題を盗めと指示した学生が恐々としてやってくる。
自分は関係ないから、お前達が責任を取れと・・・
俺は関係ないんだから、絶対に口を割るなと・・・
あまりの身勝手な言い草に、さすがのウォンタクも切れてしまって、彼をボコボコに殴りつけてしまう。
そしてその足で教員室に行き、いまだドンフンが殴られ続けている先生の手を押さえ、『自分がやった!ドンフンは関係ない』と白状する。
即座に、退学が決まり教室に知らせが行く。
教室のみんながなぜ?と言っている中、先程殴られた生徒が腹いせに『奴はやくざみたいな奴だから当然だ!』と罵る。
それを聞いていた、ウォンタクが好きな女学生が立ち上がった。
『私は、あなたの方がやくざに見えるわ』と・・・
キム・ボヨン
ウォンタクの退学が母親に知らされ、自宅で親子とドンフンの三人で黙り込んだ静寂な時間が流れる。
ふらっと、母親が席を立ち家の外に出て行く。
近くの陸橋から下を通過する列車に身を投げようとした瞬間、ドンフンが必死で止める。
『父も無くなり、母もいなくなったら、ウォンタクはどうなるのか? 頼む 死なないでくれ!』と・・・
三人で海を見に行くことにした。
船の中で和やかな時間が過ぎる。
そして、帰りには三人で記念写真も撮った。
ダンスパーティで三人が踊る。
ドンフンがお母さんと二人で踊るとなにやら後姿が・・・
ウォンタクを呼んで、親子で踊る姿を見て嬉しそうなドンフンの顔が・・・
翌日、ドンフンは遠くに行くとウォンタクに告げる。
寂しそうな顔をしてバスに乗り込むウォンタクだったが
バスが動き出す瞬間、外で見送るドンフンが指で鼻の頭を持ち上げる。
いつか、誰かがやったしぐさにウォンタクはハッとするが、そのまま幸せそうな顔でバスは動き出す。
ドンフンはバスの跡を追いかける・・・その姿はいつの間にかヨンギュの姿に・・・
家に帰ったウォンタクは机に座り、以前ドンフンが触った録音機が有る事に気づく。
そして何の気なく、それを廻してみる。
すると不思議な事にそのテープにはヨンジュの声が・・・
『ウォンタク 愛してる!』という言葉と共に・・・
ハッとしたウォンタクはドンフンが見ていた写真帳を開いてみる。
そこには、昔のヨンギュの写真ではなくドンフンの写真が並んでいた。
慌てて階下に降りていったウォンタクは母親に向かって叫ぶ・・・
『父さんが逢いに来てくれていたんだ!』と・・・
母親は慌てて先程届いたばかりの、三人で撮った記念写真のパネルを開く。
そこには、ウォンタク母子ともう一人はヨンギュの姿が・・・

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